片思い中のカレの隣にはいつも幼馴染がいた。カレとの思い出が欲しかった私は…。
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片思い中のカレの隣にはいつも幼馴染がいた。カレとの思い出が欲しかった私は…。 (ページ 1)
知ってる。
シュウが幼馴染を大切にしていることを…。
同性から見ても可愛いシュウの幼馴染は、今日もシュウの隣にちょこんと座り、飲めないお酒の代わりにオレンジジュースを飲んでいる。
サークルの飲み会になんて、参加しなければよかった。
こんなにも見せつけられたら、諦めざるを得ない。
シュウに片思い中のリオは、そんなことを思いながら、手に持ったビールジョッキを一気に煽った。
「おいリオ、飲みすぎじゃないか?」
目の前に座るシュウが心配そうに声を掛けてきた。
誰にでも優しいシュウを勝手に好きになったのはリオの方だ。
こうして勝手にヤキモチやくのも、シュウにとってはいい迷惑だ。
「全然平気。ありがとうね」
笑顔を向けて一気にジョッキをカラにし、次は何を飲もうかとメニュー表を見ていると、不意にシュウが立ち上がった。
「もう帰ろう、送っていく」
「え…?」
シュウの言葉に反応したのは、リオではなくシュウの幼馴染みだった。
困惑、という表情でシュウを見上げる幼馴染を無視して、シュウはリオの腕を取る。
「次の日に響いたら大変だから、ほら、行くぞ」
「うそ…本気?」
大切な幼馴染を置いて、リオを立ち上がらせたシュウは2人分のお金を幹事に渡して席を立った。
「シュウ、どうしたの?」
別にふらつきもないし、気分だって悪くなかったリオは、シュウの行動の意図が掴めずに困惑した。
店を出ると、シュウは少しだけ眉間にシワを寄せた。
「リオが元気なかったから、心配だったんだよ」
どこまでも優しいシュウに、また胸が鈍く痛む。
そんなに優しくするなんて、卑怯だ。
黙って自分が本当に大切だと思っている幼馴染みを優先すればいいのに、本当に酷い男。
だったら、その優しさに存分につけ込んでやろうと、リオはギュッとシュウの腕に抱きついた。
「じゃあ、慰めてくれる?」
心臓はバクバク、顔もすごく熱い、自分でも何を言っているんだと後悔もしたが、もう後には引けない。
そっと上目遣いで見上げれば、シュウが目を見開いたのがわかった。
「…俺でよければ」
なんて謙虚な言葉だろう。
一夜限りでかまわない。
最後の思い出にと思い、リオはシュウの腕を引いた。
*****
手頃なラブホテルに入って、お互いにシャワーを済ませると、シュウはリオをベッドに押し倒した。
顔にかかった髪を優しく払い、頬を優しく包み込んでくる。
「本当に、いいんだな?」
「うん、シュウがいいの」
その言葉を合図に、シュウが優しくバスローブを左右に開いた。
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