ほろ酔いの勢いで恋人の童貞を奪おうとするする処女の私

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ほろ酔いの勢いで恋人の童貞を奪おうとするする処女の私 (ページ 1)

目が覚めると、見慣れない天井が視界に入った。
(どこだ、ここ…)
「やっと気付いたか、瑠香」
疑問に思いながら心中で呟いていると、聞き慣れた声が私の鼓膜を振動させた。
耳に入ってきたそれはいつもより少しだけ低く、怒っているようにも聞こえた。
反射的に声がした方へ顔を向ける。
その先には案の定、不機嫌そうな表情をする恋人の海斗の姿があった。
「一体どういう状況…と言うか、ここは…?」
私の問いに海斗は細かく的確に経緯を話した。
飲み会がお開きになった後、酔い潰れた私を介抱するにもお互いの家が遠い上に、近辺のビジネスホテルも満室で、たどり着いたのがこのラブホテルだったらしい。
話を聞いて、口から零れたのは一言。
「…ゴメンなさい」
「飲める量がわからないなら外では飲むな」
「…すみません」
子供をしかるような鋭い口調で言うと、海斗はそのまま大きなソファで横になった。
「…ベッド、使わないの?」
「完全に酒が抜けるまで寄るな、アルコールの匂いがつく」
同じ声調で言うとかけていたメガネをたたんでテーブルに置き、背中を向けて本格的に寝ようとする。
「…そんな言い方しなくてもいいのに」
突き放されたことを寂しく思いながら、再びベッドに体を預けて彼と同じく寝る体勢に入った。
それにしても初めて入った、ラブホテル。
もっといかがわしい雰囲気かと思ったら、意外と普通のホテルみたいで驚きというか、拍子抜けというか何だが妙な気持ち。
でも2つのコンドームが視界の端に入って、”そういうことをする場所なんだ”と改めて認識させされて、全身の体温が上がるのを感じた。
海斗と付き合ってそれなりに経つが、お互いに童貞(本人の自己申告だが)と処女というのもあってか…まだ清い関係のまま。
アルコールが抜けきってないからか、それとも普通に見えて普通じゃない独特の空気がそうさせるのか。
(処女を捨てるなら…今しかない)
女としての欲求が酷くかき立てられた。
体を起こしてゆっくりベッドから下り、そのままソファで仰向けになって目を閉じる海斗の体にまたがった。
「おいっ、何してっ…!?」
パッと目を開けて慌てふためきながらも動く唇に、自分のそれを重ねて言葉を奪った。
「んっ、ふっ…んっ」
第一ボタンまで閉まったシャツの両エリを握ったまま、角度を変えて息を乱しながら幾度となく重ね合わせる。
しっとりと柔らかな感触を味わう度、体の奥がどんどん熱くなってくる。
(もっと、もっと先に進みたい…)
馳せる気持ちを抑えられず、顔を近付けたまま首元のボタンに指をかけた。
「落ち着けっ、どうしたんだ…!」
貴方ともっと先に進みたいのに、もっと深くでつながりたいのに…
どうしてまだ止めるの?
どうしてこの気持ちが伝わらないの?
ここまで来ても先に進ませてくれない海斗に、疑問や憤りとかがふつふつと沸き起こった。

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