足を怪我したドSな彼に看病という思いもよらぬ焦らしプレイを仕掛けられる (ページ 3)
「僕がいなくて、寂しかったでしょう」
先程の言葉をゆっくりともう一度口にして、彼は手に力を込めた。
その手を振り払ってしまいたいのに、絡まった視線を振りほどけない。
けれど響の足が視界に入ると、どうしてもあの時の事を思い出してしまって視界が滲んだ。
「…日和?」
…あぁ、我慢していたのにとうとう出てしまった。
彼の事が心配だったのと、わたしのせいで怪我をさせてしまったのと、わたしが気にすると思ってそれを隠そうとした彼に気づいてしまったのと…色んな気持ちがない交ぜになって自分の中では処理し切れなかった。
「…ばか」
「うん」
「…心配、したんだから」
「うん」
「…わ、わたしの、せいで」
そこまで言って、ぐっと引き寄せられた。
座っている彼の腕の中に閉じ込められ、強引に唇を重ねられて言葉が発せられない。
「ふっ…ん…」
優しく舌を絡め取られながら、彼の膝の上に乗せられる。
やんわりと続くそれの合間に、まるで幼子をあやす様に頭を撫でられ背中をとんとんと叩かれ、温もりに安堵した。
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