「成人式の日に展望台の上で」口約束が守られた時、想いを伝え合うのは―
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「成人式の日に展望台の上で」口約束が守られた時、想いを伝え合うのは― (ページ 1)
あの時、泣く私に良介は言った。
「俺たちまだガキだからさ…こうやって傷つけ合うことしかできないけど、もし出逢うのがあと何年か遅くて、ちゃんと大人になってて、結婚とかできる歳ならもっと上手くやれてたよ。出逢うのが早すぎたんだな」
私はセーラー服のスカートにぼたぼた涙を流しながら、良介を見上げた。
「亜弥、よく聞け。俺たち今は上手くやれないけど、出逢うべき時が来たらきっとまた上手くやれるはずだ。その時また逢おう。
成人式の日にいつもの公園の展望台の上で」
あれから五年経った。
私は高校を出て働くようになり、頭の良かった良介はどこかの大学に行ったはずだ。
成人式…振り袖は着なかった。
そんなものを着たら自由に行動できなくなると思ったから。
リクルートスーツで式に参加、はしゃぐ友達と写真を撮りながら、会場のどこかに良介かいないか探している自分がいた。
でも良介は見つけられなかった。
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