数年ぶりの再会を果たした夜、彼に貫かれた快感は私を狂わせ甘美な肉欲に溺れさせていった
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数年ぶりの再会を果たした夜、彼に貫かれた快感は私を狂わせ甘美な肉欲に溺れさせていった (ページ 1)
長いこと音信不通だった人から、突然ハガキが届いた。
そのハガキの風景写真を見た瞬間、聡子の脳裏にたくさんの思い出がよみがえっていった。
差出人は、婚約者……だった人。
結婚を約束して、これからという時に、しばらく連絡できなくなるという素っ気ないメールが届いたのだ。
何が起こったのか聡子にはわからなかった。
ハガキのその風景写真の場所は、二人でよく出掛けたところだった。
「何でいきなり……」
甘く懐かしい思い出と戸惑いで、聡子の胸がざわめく。
ハガキをひっくり返すと、メッセージが書かれていた。
急に連絡を断ったことへのお詫びと、また会うことはできるだろうかというお誘い。
「勝手なんだから!会えるに決まってるでしょ!たっぷり問い詰めてあげるから、覚悟してよね」
文句をこぼしながらも、聡子は端の方に記されていたメールアドレスに返事を送ったのだった。
*****
それから予定を合わせて待ち合わせ場所へ向かう道中のこと。
家を出た時の聡子は、まさに臨戦態勢であった。
しかし、電車を乗り継ぎ目的地が近づくにつれて、次第に落ち着かない気持ちになっていったのである。
また会えることに対し、喜ぶ自分が確かにいるのだ。
同時に、半端に途切れてしまった恋がどうなるのか不安も覚えた。
彼を前にした時、どんな態度をとったらいいのだろう……。
それに、彼が自分に何の話をするつもりでいるのかもわからない。
悩んでいるうちに、電車は目的の駅に到着した。
ざわざわする気持ちを抱えて聡子は改札へと向かう。
待ち合わせ場所は、改札を出てすぐの広場にある銅像の前だ。
(――いた……)
聡子の足が止まる。
聡子が気づいたと同時に彼もこちらに気づき、二人はしばらく見つめ合った。
どんな態度で会ったらいいのかなどという悩みは、聡子の頭から吹き飛んでしまっていた。
気づけば足は勝手に駆け出し、口からは彼の名前が切なげに叫ばれる。
「智樹!」
名前を呼ばれた彼も、小走りにやって来た。
周りに人がいるのもかまわず、二人はお互いを確かめるように抱き締めあった。
*****
その後、食事をしながら近況を報告しあっていると、あっという間に日が暮れていった。
駅に戻っても別れがたく、結局その夜を共にすることになった。
部屋に入るなり、二人は情熱的なキスを交わし合う。
智樹の体温を直に感じた聡子は、嬉しさがこみ上げて涙が溢れてきた。
「トラブルに、私を巻き込むまいとしたことはわかったわ。でもやっぱり、不安だった。あなたが苦しい時に、私も一緒にいたかった」
智樹が音信を断った理由は、食事の時に聞いた。
会社で大きなトラブルを抱えてしまい、関係のない聡子にまで迷惑がかかりそうな危険があったためだという。
「……今日は断られると思ってた。ハガキを書いてた時も、恥知らずにも程があると、頭の中のもう一人の自分に何度も戒められた」
「そうね、私達、もう終わったと思ったもの。ショックだったし、怒りも沸いた。今日会ったら文句言ってやると決めてた。でも、智樹の顔を見たら言えなくなって……」
聡子は、想いを込めてキスをした。
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