校則違反であるバイト中に担任が客として現れて!?甘く強烈な指導に幸せを識る (ページ 3)

先生を連れて入った更衣室には誰もいなかった。

まずは、えっと。

おしぼりと……服は脱いで貰った方がいいのかな……?

二人っきりなのが余計に気まずくておろおろしてしまう。

ふと、先生と視線がぶつかる。

先生はいつもの冷たい眼をこちらへ向けていた。

「そこは、まず申し訳ありませんじゃないのか?」

「……申し訳ありませんでした」

「よし。とりあえず拭く物をよこせ」

高校には何人か若い先生がいるけれど、蜂須賀先生はダントツで人気者だ。

先生も、まんざらじゃないみたいで、愛想がいいし、相談ごとにものってくれるらしい。

でも、私は先生に笑顔を向けられたことがない。

それどころか、いつも、私を見る眼はどことなく冷たい。

眼が合ったときも、睨まれるか、私をいないものみたいにそらすだけ。

私は先生の授業をさぼったことも、宿題を忘れたこともないのに。

どうして、とか。

嫌われること、したっけ?とか。

原因を考えても思い当らない。

私は先生をあまり見ないようにした。

クリームソーダで服を駄目にしてしまったのだから、怒られてもしかたがないけれど、当たりが冷たいのはやっぱり辛い。

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