クール女子は絶倫関西弁男子にトロトロに愛されて、おかしくなってしまったみたいです
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クール女子は絶倫関西弁男子にトロトロに愛されて、おかしくなってしまったみたいです (ページ 1)
私は人見知りが激しく、職場ではいつも一人だ。
ランチタイムもデスクに座ったまま、小さなお弁当箱を広げて黙々と食べるだけ。
周りが談笑する中、私だけがその輪の外にいることに気づいていたけれど、どうすることもできなかった。
そんなある日、誰かが声をかけてきた。
「一人で食べるの、寂しないん?」
驚いて顔を上げると、見慣れない顔の男の人が笑顔を浮かべて立っていた。
栗色のクセの強い髪と大きな丸い瞳が印象的な彼は確か関西支所からやってきた同期の蒼君。数年前に新人研修で一緒になったっけ?
「別に…」
私はそんな同期の蒼君に平然を装いながらそっけなく返す。
本当は寂しくて誰かと一緒に食べたいなんて人見知りの私は言えない…
いつも、無表情な私と違って、蒼君は柔らかい笑顔で誰とでも気さくに喋る。
彼は爽やかな笑顔で顧客をつかみ、関西にいたときの営業成績は、過去最高なんだとか…
蒼君の偉業は東京にいる私の耳にも入ってきて、同じ歳なのにすごいなとぼんやり思っていた。
対して、私は事務として誰とも喋らず会社の隅っこで一人パソコンをカタカタしているだけ…
そんな私の隣に蒼君は腰を下ろした。蒼君は気さくな笑顔をこちらに向けてくる。
え、なんで隣に座るの!?
「ほのかは強いなー。俺こっちきたばっかで寂しいねん。もしよかったら、一緒に食べへん?」
私の名前呼び捨てだし、馴れ馴れしいし…と一瞬、ためらったものの、蒼君の人懐っこい雰囲気に引き込まれ、気づけば「うん」と答えていた。
それからというもの、蒼君は毎日のように私を誘い、私のランチタイムが少しずつ賑やかになっていった。
蒼君は話し上手で、私の苦手な沈黙をうまく埋めてくれた。
彼は誰に対しても分け隔てなく接するので、他の同僚や上司たちともすぐに打ち解けていった。
その明るさを見て、私は少し羨ましいと思ったけれど、自分とは違う世界の人だとも思った。
なんで、蒼君は私なんかと一緒にご飯を食べてくれるんだろ?
他の人と仲良くなったんだからそっちに行ってもいいのに…
そう思うと同時に、蒼君とお昼を食べる時間がとても大切で、蒼君と離れたくない気持ちも大きくなっていった。
そんなある金曜日、蒼君が突然こんなことを言った。
「ほのか明日、うちこん?」
「えっ?蒼君のお家に行くの?」
私は思わず聞き直す。
「うん、前言ってたやろ?人とうまくコミュニケーション取れるようになりたいって」
「うん」
「俺、結構人と喋るの上手い方やと思ってて…やから俺でよければ力になりたいなって思ってさ」
蒼君の笑顔は相変わらず爽やかで優しくて…突然の誘いに戸惑いながらも、彼の真っ直ぐな瞳を見て、私はまた「うん」と頷いてしまった。
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