バイクの後部座席からツンデレ彼氏に密着する私。じんじんと下半身が疼き始めるのはお互い様!

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バイクの後部座席からツンデレ彼氏に密着する私。じんじんと下半身が疼き始めるのはお互い様! (ページ 1)

健太と愛実が出会ったきっかけは、愛実の車のタイヤがパンクしたことだった。秋物の洋服を買いに来た大型スーパーの駐車場で、思わぬアクシデントで焦る愛実に、偶然バイクを近くに停めていた健太が声をかけたのだ。

「何かトラブル?」

「はい、パンクしているようなんです」

「あー、ほんとだ。パンク修理でいけるのかな…。とりあえずロードサービス呼ばなきゃね」

 そう言って、健太は愛実にてきぱきと対応を指示して電話までかけてくれた。

「三十分ぐらいかかるみたいだよ」

「本当にありがとうございました。もう大丈夫ですので…」

 愛実は健太にお礼を言ったものの、健太は帰る素振りをみせない。一人だと心細いこともあり、愛実にとっては有難いことではあるが、やはり申し訳ない気持ちが勝つ。

「この近く?」

「いえ、ここから一時間ほどです」

「そうなんだ」

「お近くですか?」

「いや、俺もここから一時間ほどかな。ちょっとバイクで走りたかったから」

「バイク、そんなに気持ちいいですか?」

「乗ったことないの?」

 意外だと言わんばかりに、健太はバイクの魅力を話し出した。正直、愛実にとってはどうでもいいことだったけれど、あまりにも嬉しそうにバイクについて話す目の前の男性が面白かったので、じっと聞いていた。

 ふわふわした髪型、華奢な体型、くりんとした二重の目、落ち着いた話し方、そんな健太がバイクが趣味ということも、ギャップがあって惹きつけられたのかもしれない。

 結局、ロードサービスが到着し作業が終わるまで健太は愛実に付き添い、二人は連絡先を交換してその日は別れた。

 翌日から、健太は頻繁に愛実にメッセージを送った。おはようから、おやすみまで一日に何通ものやり取りが続く。

 愛実もメッセージのやり取りは好きなので大歓迎ということもあり、そのまま続けていくうちに健太のバイクでどこかへ出かけようと決まった。

 出会ってからたった一週間のことだった。

*****

「おはよう」

「久しぶり?かな」

 まだ一度しか会ったことがないのに、ずっと一緒にいる感覚。きっとこの一週間のやり取りのせいだろう。

 健太は若く見えるが愛実の三つ上で三十歳独身、彼女はいない。地元でシステムエンジニアをしている。愛実は就職を機に一人暮らしを始めていたが、愛実のアパートは健太の家から割と近くだった。

 当日、健太が愛実の近くのコンビニまで迎えに来て、二人の一日が始まった。

「この服装で大丈夫だった?」

「ばっちりだよ。パンツ姿も似合うね」

 バイクに乗るため必死で考えたコーデを誉められ、思わず笑顔になる。健太は爽やかな白のシャツと黒のスキニーで、年上なのに可愛いと言いたくなるルックスだ。

 初対面のときよりもなぜか緊張しているようにも思えたが、愛実も久しぶりの男性との二人きりの外出に、昨日は子供の遠足の前日のように昂っていた。

「はい、これかぶって」

 健太がヘルメットを渡した。

「思ってたより重い!」

 上手くかぶれない愛実を笑って、健太が手伝う。

「似合うよ!」

「ほんと?」

「かっこいい系!」

 笑いながら健太がバイクにまたがる。

「じゃあ乗ってみて」

「うん」

 愛実もバイクにまたがった。
 
「ちょっと怖い」

 大きな声を出してヘルメット越しに健太に訴える。すると、くるっと振り向いた健太が言った。

「大丈夫。俺にしっかり捕まって」

 健太のその一言に愛実はどきっとした。まだ手も繋いでいないのに、後ろから男性に抱きつくことが突然照れ臭くなる。

「じゃあ行くよ」

「わかった」

 愛実は思い切って健太にしがみついた。すると、健太が愛実の手をぎゅっと引き寄せ、ぴったりと自分に密着させた。

「俺に体を預けてね」

「うん」

 怖さもあったが、健太の運転なら絶対に大丈夫だと真奈美は感じた。

 最初は風圧に驚いたが、走りだして数キロで景色を見る余裕と健太を感じる余裕も生まれていた。エンジン音も思っていたよりも静かだ。

 信号で止まると、健太は必ず愛実に声をかける。くるっと後ろを向き愛実の手を引き寄せ、体が離れないように誘導してくれる。

 これが二人の初デートだと錯覚を起こすほど、後部座席の居心地は特別で、愛実はますます舞い上がっていた。

 そして、この時間がこれからも続けばいいなと思い始めていた。

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