短編小説好きの私が、身体の相性ピッタリで、入れた直後に絶頂させてしまう彼は…雲の上の人だった (ページ 5)

「いつもは直ぐに本番になるんだけど…詩織さんだけは違ってた…僕のペースに合わせてくれてたの?」

「どうだろ…ただただ気持ちよかったから…で、いつもって…?」

意外な言葉が出てきてびっくりした。

「誤解しないで、いつもは相手からDMが来るんだ…気晴らしに会ったりするんだけど、ほどんどは一晩過ごす事になるんだ…詩織さんは違うよ!」

財布からゴム…確かに慣れてる…なんだか不安になってきた…

すごく慌ててるし…誠実なイメージが薄らいでいく。

「こんなに僕の作品に詳しい人はいない…だから僕からDMを送ったんだ」

「そんな…今、僕の作品って言った?」

「言った。投稿してる作品…あれ僕が書いてるんだ。DMを送ったのも本当に詩織さんが初めてなんだ」

投稿小説のアカウントは…『JTHawk』純 高橋…そういう事!!

「投稿したての時からずっと感想を書いてくれてたよね、本当に励みになってるんだ…今や編集者は、僕のご機嫌取りしかしなくなったし…僕の書いた文章で唯一君だけが、ちゃんと向き合ってくれている」

情報量が多すぎて頭が追いつかない…

「…編集者が付いてるって事は、本とか出してるの?」

「うん…つい最近だと『空の向こう…』って本…知ってる?」

「知ってる!本持ってるよ…もしかして、川口 悟 なの?」

「うん、よく知ってるね…握手会以外で読者に会うの初めてだよ」

「そうなの!…話の内容は全くの別物だけど文章が似てると思ってたの…言い回しとか、場面展開のタイミングとか…」

「本当に詳しい…嬉しくて泣きそう…」

「大げさよ(笑)…そうなんだ…本人なんだ…私にとっては雲の上の人」

また、不安が襲ってきた。

今度は雲の上の人すぎて、二度と会えないんじゃないか…私も泣きそうだ。

「雲の上の人なんかじゃないよ。今こうして抱き合ってるし詩織さんの目の前にる普通の男だよ」

「また、会ってくれる?」

「もちろん、僕は両思いだと思ってるんだけど、詩織さんは違うの?」

「私も好き…本当に両思い?」

「詩織さんが僕の事好きなら両思いだ♡」

思わず彼にキスしてしまった。

「君に会えて良かった…しかも身体の相性もピッタリみたいだし(笑)…それで…両思いだってことがわかったから…詩織って呼んでいい?僕のことは、純って呼んでほしい、さん付けはなしで♡」

「わかった、純♡」

また優しく頭を撫でてくれた。

「今度は普段のセックスしてくれる…できれば、今」

「いいよ…普段は激しいけど…良い?」

「んー。お手柔らかにお願いします」

彼は、さっきと同じ優しいキスから初めてくれた…

-FIN-

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