内緒にしてた”裏の顔”が夫にバレてしまってたくさんいじめられた私
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内緒にしてた”裏の顔”が夫にバレてしまってたくさんいじめられた私 (ページ 1)
ヴヴヴヴヴヴーーー
(…寝ちゃってたな。…って何これ!?)
「おはよう先生♡」
「慎司さん!?なんで!?」
(…え、っていうか今先生って…!?なんで!?)
出張に行っているはずの夫が目の前にいる―――
*****
私はさくら。
おしとやかな大和撫子に育って欲しい、そんな両親の願いからそう名付けられた。
両親の希望どおり、どちらかというと大人しくて女の子らしい趣味を持つ人間に育った。
仕事は区役所の事務員。
学生時代もそんなに派手な生活は送らず、真面目に授業に出て、コツコツと単位を取り、真面目に就活。
そして今も一度も休むこと無く毎日仕事に通っている。
勤務態度も至って真面目で、職場でも重宝されているくらいだ。
真面目真面目言い過ぎ?
私もそう思う。
もう少しあそびがあった方が楽しいんじゃないかと思うくらい、きっちりした日々を送っている。
夫の慎司さんとは職場で出会った。
引っ越しきたばかりで手続きに困っていた彼の担当をした縁で話すようになり、近所のグルメ情報なんかを教えていたらいつのまにか親しくなった。
年は5つ年上で、会社を経営している。
私と違って、王道モテ街道を走り続け、学生時代もかなり楽しく過ごしてきたような人だ。
そんな彼と結婚して1年。
毎日楽しく穏やかに過ごしている。
だけど私は彼に話していない秘密を持っている。
小さい頃から絵を描くのが好きだった私は漫画家になるのが夢だった。
でも、仕事にするには不安で結局諦めてしまっていた。
でも3年前にひょんなことからチャンスを得て、女性向けのWEB漫画を描いている。
作品がSNSでバズったのがきっかけで大人気作家となり、女性のファンがたくさんついた。
これだけなら秘密にする必要はなさそうなものだが、なぜ隠しているかと言うと…。
描いているのはレディコミというジャンル、つまり女性向けのエッチな漫画なのだ。
結構激しめの描写もしたりするのだが、それが世のたくさんの女性たちに刺さったらしい。
(みんな普通の顔で日々過ごしているけど、実はとんでもない願望を秘めてたりするんだな…)
そう思いながら描いている。
世の女性の心の癒やしになれば…なんて言っているが実は自分の願望をぶつけているのかもしれない。
真面目におしとやかに、そう育ってきた反動で満たされなかったフラストレーションを作品にぶつけている気がする。
もっと激しく抱いて―
痛いくらいキスして―
そんな、思っていても絶対口にできない願望を作品の中で叶えてきたのだ。
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