彼の指でなんてイかない、とつい意地を張ってしまって、しつこいくらいに愛撫される私 (ページ 3)

快感を追い求めるように中がひくひくとうごめいている。
私は思わず理人を見上げた。

「やっ…なんでぇ…?」
「なんでって…俺の指じゃイかないって言ったのは比奈でしょ。別にイかなくてもよかったんじゃないの」
「やぁっ…やだ、ゃ…っ」

私が思っていたよりもずっと理人は根に持っていたらしい。
そりゃあ自分の指でなんてイかない、なんて恋人に言われたら当然むっとするか……。

今さらながらに、いくら勢いとはいえなんてことを言ってしまったのだろうと頭の中が真っ白になってしまった。

熱に浮かされたような状態でいるのもつらくて、つい腰を揺らしてしまう。それをとがめるように理人が「比奈」と名前を呼んだ。

「ご、ごめんなさい…」
「…あー、もう…なんで泣きそうになるかな…」
「ごめんね、理人…」
「ん、いいよ。俺も意地悪しすぎたから」

そう言って理人は蜜壺に埋め込んでいた指をゆっくりと引き抜いた。
そして触れるだけのキスをそっとしてくる。私は甘えるように理人の首に腕を回して、もっとほしいとねだった。

きっとまた、軽口の叩き合いをして意地の張り合いになって、どちらかが折れる――なんてことになるのだろうけど。

何度もキスを交わしながら思う。
やっぱり理人が好きだし、すごく甘やかされているんだなあ、と。

続きしよう、と言うと理人は優しい顔でうなずいた。

-FIN-

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