催眠術ができるというので試してみたら、彼の言う通りになってしまい…
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催眠術ができるというので試してみたら、彼の言う通りになってしまい… (ページ 1)
「実は俺、催眠術が使えるんだ」
そう言って、彼――泰人は笑みを浮かべる。
「催眠術?」
突然何を言い出すのかと、香子は目を丸くした。
仕事の打ち合わせの為に、二人は喫茶店で顔を合わせていた。
テーブルにはコーヒーカップが置かれており、香子はそれを一口飲んでから言葉を続ける。
「催眠術って…泰人さんってそういう冗談も言う人だったのね?意外だわ」
「いや、本当だってば。ほら、これ見てくれよ」
泰人はポケットから何かを取り出すと、それを香子に見せた。
それは、先端に五円玉がくっついた糸だった。
「それって…」
「ああ、これで君に催眠術をかけてみせよう」
愛想の良い笑顔を浮かべながら、泰人が言う。
香子は戸惑いながらも、少しぐらいならいいかと、彼の提案を受け入れることにした。
「じゃあ…お願いしようかしら」
「よし、それじゃあ始めようか。まずはこの五円玉をじっと見つめて」
泰人の指示に従い、香子は視線を五円玉へと向ける。
そして、泰人は五円玉を左右にゆっくりと揺らし始めた。
ゆらゆら揺れる五円玉を見ているうちに、だんだん意識がぼんやりしてくる。
(なんだか…眠くなってきたような…)
次第に瞼が重くなり、視界がぼやけていく。
そんな香子の様子を見て、泰人はそっと耳元へ顔を近づけた。
「香子さん、眠そうだね。ホテルに行こうか」
「…ええ、そうね」
泰人に促され、香子が立ち上がる。
いつの間にか会計を済ませた泰人と共に喫茶店を出て、そのままホテルへと向かった。
*****
「んちゅ…はぁ…んむぅ…」
室内に備え付けられたベッドの上で、香子と泰人が唇を重ね合う。
互いの舌を絡ませ合いながら、何度も何度もキスを繰り返す。
(あれ…?私、どうして泰人さんとキスしているんだろう?)
そんな疑問が香子の脳裏に浮かんだものの、すぐに頭の中がふわふわして、何も考えられなくなる。
ただひたすら泰人とのキスに夢中になっていた。
やがて泰人の方から離れていき、二人の間に銀色の橋がかかる。
「どうだい?気持ちよかったかな?」
「ええ…とても…」
蕩けた表情のまま、香子が答える。
その返事を聞いて満足したのか、泰人は小さく微笑んでみせた。
「良かった。それじゃあ次は服を脱いでくれるかい?」
「わかった」
素直に従って、香子が着衣に手をかける。
シャツのボタンを外し、スカートを下ろせばあっという間に下着姿になった。
「うん、綺麗な身体をしているね」
「ありがとう」
恥ずかしげもなく褒められてしまい、香子の顔が赤くなる。
しかし、不思議と嫌ではなかった。むしろ、もっと見て欲しかった。
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