十年越しに再会した後輩と、お隣さんになってお風呂エッチしちゃいました。
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十年越しに再会した後輩と、お隣さんになってお風呂エッチしちゃいました。 (ページ 1)
弁当屋のビニール袋を下げて三分も歩けば、就職して二年目に引っ越してきた私の城だ。
1Kの決して広いとはいえない部屋だけど、インテリアにこだわって住み心地の良さは抜群だ。
(悲しいかな。社畜ゆえにゆっくりできるのは、土日だけだけど)
エントランスに入り、オートロックを解除する。
実家が戸建てだから、最初は緊張したこの動作も今では当たり前だ。
エレベータ―に乗ろうとすると、不運にもエレベーターは最上階の八階に止まっていた。
足音を感じてエントランスに目をやると、一度閉まったオートロックの自動ドアが開き、少し背の高い男性が入ってきた。
(気まずいな)
決して自惚れているわけではないけれど、夜に二十代の女の安全なんて気を抜けばあってないようなものになってしまう。
けれど階段に切り替えて、変な恨みを買うのも怖い。
いつもは鞄の内側にぶら下がっている防犯ブザーをこっそりと握った。そのときだった。
「藤原先輩?」
「え」
もうしばらくその呼び方はされていない。はじかれるように、顔を上げるとそこには十年たっても誰だかわかる顔があった。
それは高校のときのひとつ下の後輩の上野くんだった。
「上野くん…?」
「覚えてくれてるんですか?」
「うん」
高校生のころより少し大人の顔つきになったけれど、誰かと問われればすぐに答えられる。
そしてあの頃みたいな、人懐っこい笑顔はどこも変わっていない。
住人全員と顔見知りというわけない。
ここに引っ越してきて約四年。これまで上野くんの顔を見たことは一度もなかった。
疑問を顔に出さないようにしたけれど、もしかしたら表情にどこか出てしまっていたかもしれない。
「俺、今日引っ越してきたんですよ」
「あ、そうなんだ」
オートロックを開けていたから、ここに住んでいることは間違いない。けれどその言葉に思わず安堵した。
「何階ですか?」
「三階」
「え、同じです」
「偶然だね」
エレベーターはすぐに三階に到着し、降りるのを譲られる。
暗黙の社会人としてのルールを守る上野くんと、学生時代の天真爛漫な彼がまだ結びつかない。
ただ十年という月日は私たちを大人にするには十分すぎる。
私の部屋は角部屋で、エレベーターから一番遠い。
歩きながら、ふと隣がしばらく空室だったと頭をよぎった。
予感というのは、当たるものでドアノブに鍵を刺そうとすると、上野くんはドアノブを握っていた。
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