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「も、もう足が治るまでしないから」
睦み合っていた時間が嘘のように感じる。
行為が終わってしまえば、獲物を狩るような瞳はとても穏やかな色を浮かべていた。
「そんな我慢出来ないくせに」
クスクスと笑いながらそんな事を言われ、恥ずかしくて堪らず視線を逸らす。
「…ねぇ日和」
「…」
「また、お世話してくれるでしょう?」
ちらりと彼を見やれば、にっこりと微笑んでいて。
言いたい事はたくさんあるけれど、それはどれを口にしても響に言い負かされるような気がしてならない。
だから今は仕方なく、近づいて来る唇に瞳を閉じた。
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