初デートが終わってから見せた心配症な彼の新たな一面 (ページ 2)

ちっとも、ロマンチックなんかじゃなかった。

だって、博くんったら、水槽にへばりついてばっかり。

そりゃ、わたしだって「クラゲ綺麗だね!」とか「ペンギン可愛いね!」とか言ったよ。

言ったし、ホントにそう思ったさ!

でもさ、でも…デートだったんだよ!

確かに、前に「クラゲが好き」とか「ウミウシがキテる!」とか言ってたのは知ってたけど…でも、今日はクラゲに会いにきたんじゃないでしょ?

あたしが何言っても、こっち向かないで、じーって水槽ばっかり見つめちゃってるし。

もー!

あたしとデートしてくれるんじゃなかったの?

子供じゃないから、こんなことで嫌いになったりしないけどさ!

でも、手繋いだりとか、そういう恋人っぽいことしたかったなぁ…。

そんなことを考えていたら、駅前から離れて、すっかり住宅街に入っていた。

静かな夜の街。

無機質な街灯の白い光が眩しい。

すっきりしない気分で、夜道を歩く。

コツコツコツ…

心なしか、いつもよりヒールの足音が大きい。

もうすぐ、家か…。

シャワー浴びて、さっさと寝よう。

そう思った瞬間、すっと背後に気配を感じた。

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