社内での情事を断ち切ったら、その日の夜は何度果てても許してもらえず……理不尽な仕打ちなのに、身体は反応してしまう!
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社内での情事を断ち切ったら、その日の夜は何度果てても許してもらえず……理不尽な仕打ちなのに、身体は反応してしまう! (ページ 1)
その日初美は、ある用事でその会社を訪れた。
受付けで要件を告げると、エレベーターのほうを示される。
愛想よく礼を言って受付けの係員に背を向けたとたん、初美から笑顔が消えて仏頂面になる。
すぐに見つかったエレベーターに乗り込み、社長室がある階のボタンを押した。
そして着いた社長室のドアを、ノックとほぼ同時にやや乱暴に開いた。
部屋の正面にある執務席にいる社長と目が合うなり、初美は文句を口にした。
「忘れ物はないかって、私、何度も聞いたよね?」
「ごめん、確認したんだけどね」
ごめんと言うわりには悪びれた様子もない社長は、初美の夫の明央である。
明央は席を立つと、ゆったりとした足取りで初美に歩み寄った。
「どうしても、ないと困る資料だったんだ」
「何でそんな大事なもの忘れるかな……。私、今、とーっても忙しいの、知ってるよね!?」
のん気な明央に、初美は口をへの字に曲げて詰め寄る。
まあまあ、と両手を上げて初美をなだめようとする明央。
いつもなら初美もそれ以上は責めたりしないのだが、今日は違った。
「締め切り、今日なの!それなのに、外に出ることになるなんて!」
初美はイラストレーターだ。
締め切り日やその前日あたりはとても神経質になっていて、作品を仕上げることだけに意識を集中させていたいのだ。
それを邪魔されたのだから、機嫌が悪くなるのも致し方ない。
明央は憤る初美を抱き寄せて、やさしく背を叩いた。
「悪かったって思ってる。電話しようかどうしようか、実際すごく迷ったんだ。電話したのはダメ元だった。忙しいのに、持って来てくれてありがとう。その服、よく似合ってるよ。かっこいい」
「……かっこいいって、あのねぇ」
いつでもここを訪ねられるように、初美はそれなりの服を用意していた。
悲しいことに、それくらい、この旦那はどういうわけか忘れ物が多いのである。
「とにかく、もう帰るわ。……ちょっと、離してよ」
「もう少し」
初美は離れようと明央の胸を押すが、反対にますます強く抱き締められた。
「朝からヤローの顔ばっか見ててさ……」
「それがあんたの仕事でしょ」
「年配でも、せめて品のある女性なら……」
「あんたねぇ」
「冗談。年配でも若くても、初美以外どうでもいいよ」
「……っ」
突然の甘い言葉に小さく息を飲んだ初美の顎がすくい上げられて、唇を重ねられた。
やわらかな感触を確かめ合うだけだった触れ合いが、次第に熱を帯びていく。
口内に侵入してきた明央の舌に絡め取られ、彼の胸に添えていた初美の手に力が入る。
明央の手が腰のほうに下りていき、初美の尻の弾力を確かめるように軽く掴まれた瞬間――。
初美はハッとして、明央から素早く離れた。
「こ、こんなところで何してんのよっ」
「ダメ?しばらく誰も来ないよ。そう通達してあるから」
「そういう問題じゃないっ」
「まあ……それもそうか。じゃあ、続きは帰ってからってことで、お別れのキスしよう」
初美がよける前に、再び口を塞がれる。
二度目はいきなり深くまで舌が入り込んできた。
そして少しずつ初美は押されていき……ポスンッとやわらかいソファに座らされた。
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