卒業後も忘れられなかった先生と…大人の余裕たっぷりの身も心もとろけちゃう夜 (ページ 2)
他の女子生徒と同じように、在学中も雅先生が好きですという無邪気なオーラを出していたので、褒めることに躊躇はない。
対面ではなく隣り合わせで座っていたので、メニューを覗こうとした先生の膝が自分の足に当たった。
そこから何を選んで、何を食べて、何を何杯飲んだのか記憶がない。
くっついたままの膝を離さず、肩を寄せてメニューを一緒に選んで私は先生の言葉をただふわふわした気持ちで聞いていた。
覚えているのは、
「彼氏はいる?」
と言われてアルコールの入ったぼんやりした頭で
「いないです」
と少し笑ったことだけ。
いつの間にか料理を食べ終え、店の外に出ていた。
夜の繁華街を、雅先生に手を引かれて歩いていた。
誰かに見つかっちゃいますよと言おうとして、声が出なくて、泣きたくなるほど嬉しくて、
「あったかいです」
と手をつないだまま笑った。
「うん、あったかい」
雅先生も同じ言葉を言った。
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