童顔彼氏に可愛いと言い過ぎて、『お返し』の分からせえっちをされちゃう話

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童顔彼氏に可愛いと言い過ぎて、『お返し』の分からせえっちをされちゃう話 (ページ 1)

「ハヤトは可愛いなぁ」
 
 うん、ほんと可愛い。可愛いと言われて、「俺は可愛くないよ」と不服そうにむっとした表情すらも愛おしい。

 交際当初は可愛いと褒めれば、照れてこちらを見ない姿が見られたのだが、付き合って1年も経てば流石に慣れたのか、今やそんな面影はゼロに等しい。

「ナツハはさ、自分の彼氏がカッコよくなくてもいいの?」

 背後から抱きしめる形で、お風呂上がりでまだ湿り気のある私の髪を指で梳きながら、ハヤトがぼそりと尋ねてきた。ベッドに浅く腰掛けて、ボディクリームの蓋をパカリと開けたときのことだった。

「んー、そうだなぁ…。そりゃカッコいい彼氏は素敵だけど…ハヤトはハヤトじゃん? 私はそのままのハヤトが好きだよ」
 
 私は戸惑いながらも、正直にたどたどしくそう答えながら、クリームを指で掬い取って両脚に塗り広げていく。なんだか今日はハヤト、ちょっと元気ないかも…と心配になってきた。

 ふわりとフローラルの香りが寝室に広がる。無言に包まれた空気が心なしか痛い。ハヤトは私の首に顔をうずめたまま、何も言わずに私をぎゅうぎゅうと抱きしめ続けている。

「──!」
 
 背中にふと、固い熱を感じた。
 同棲して一年、当然初々しい関係ではない私たち。普段は優しいし穏やかだし、顔も性格も、もはや全身が可愛いの塊みたいなハヤトだけど──私は知っている。
 
 ハヤトの唯一、『可愛くない部分』。
 
「俺は…ナツハにとってカッコいい彼氏でいたいな」
 
 ハヤトの細々とした声とは裏腹に、当て続けられている熱には、もはや隠そうともしていない欲情が濃ゆく滲んでいた。

 あのほんわかして可愛いハヤトがまさか、なんて思いつつ、ひしひしと感じる嵐の前の静けさ。このままでは、もしかして本当に「喰われる」のではないか──そう私の本能が警鐘を鳴らす。
 
「ハヤト…あの、今日はもう寝たいかなー? …って──」

 明日も朝早いし、なんて無難な言い訳は、声になる前に呆気なく飲み込まれた。口付けられたと気づく頃には、既にベッドへ押し倒されていて。やわらかなハヤトの唇が、私がさっき塗ったばかりの保湿リップに濡れて艶めいている。

「ダメだよ」
 
 今夜はいつもの『お返し』するんだから──と意味深な言い方をしたハヤトの表情は、前髪に隠れてよく見えなかった。

 

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