職場の後輩男子と仕事の打ち上げで飲みに行き酔いつぶれたら、真剣に迫られたお話 (ページ 2)

「ね、いい…?…美咲さん」

湿度のある声でそう問われて、私は考えるより先に頷いてしまった。…だってもう、彼がほしい。

私の答えに嬉しそうに笑う彼を、可愛いなと思ってしまう。

唇から首もとにキスされて身体が火照る。

もどかしさを埋めるように、彼がぐっと入ってくる。その熱に身体が悦ぶのを止められない。

「っ……ぁ!」

(私、こんなこと…後輩と…ッ)

頭の隅で浮かぶ罪悪感も、彼が動けばぐずぐずになって消えていく。傷付くかもしれない。本気じゃないのかも。そう思っても、本能が止まってくれない。

今はただ、この体温に包まれていたかった。

「ひっ、…ァ、あ!」

「ここ…、されるの好き?」

奥を優しく揺さぶられてあえかな声が漏れる。

「や!…あぁッ…!」

「ふふ、ちゃんと覚えましたから」

そんなの、覚えてどうするの。って聞きたいのに、快感で言葉が紡げない。とろとろに溶かされて息が上がる。ぐぐっと奥を拓かれて、彼の吐息が首筋にかかるとゾクゾクした。

「アッ、ぁ、あ!…っもう」

「俺も…っ、そろそろ…美咲さん…愛してます」

「……~~ッ!!!」

彼にそう耳元で囁かれて、私はなす術もなく達した。彼も果てて、室内に二人の荒い呼吸が響く。

(わ、たし…後輩と…ど、どうしよう)

今からでも冗談にした方がいいのか、どんな顔をしたらいいのか分からず、呼吸を整えながらぐるぐると考えるがまとまらない。

そうしていると、ふと髪をゆっくり優しく撫でられる。

「美咲さん…」

「ぇ、…あ」

そちらを見ると、蒼汰くんがまだ熱の灯る瞳でこちらを見ていた。また、体温が上がる。

「順番は逆になっちゃったけど…ずっと片想いしてて…。美咲さん、俺と…付き合ってくれませんか」

「…っ」

正直、ことが終わったらはぐらかされるのではないか?と疑っていた。それはきっと、傷付きたくないから。けれど彼の言葉や眼差しからはきちんと誠意が伝わってきて─それが分かると、心が脈打つ。ドキドキしている。

私も、歩み寄りたい。

「うん、私も─蒼汰くんが好き。付き合ってほしい…です」

ホテルで交わった後とは思えないような、うぶなやり取りに、私達はどちらともなく笑いあった。

-FIN-

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