幼馴染であり同期の彼。恋愛感情はないと思ってたけど、ある日飲み会で終電を逃すと…
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幼馴染であり同期の彼。恋愛感情はないと思ってたけど、ある日飲み会で終電を逃すと… (ページ 1)
「でも、悠と幼馴染なんでしょ?」
あかねは、とある日の会社の飲み会で、先輩に恋バナをしていた。
「そうです!幼馴染って、本当に何にもないんですって!」
「そんなこと言って~、あたしの歴代の友達は、とりあえず付き合ってみたって言う統計が多かったもん。絶対なんかあったって」
「いやいやいや。あいつに限っては本当に何もないんで!」
あかねは頑なに幼馴染の悠を恋愛対象として見ていないことを主張する。
あかねと悠は小学校からの幼馴染で、会社の同期でもある、いわゆる、腐れ縁という奴だった。
この先輩に限らず、こんな風に2人の関係を詮索してきて色々言ってくる知り合いはいた。
しかし、本当に2人は今の今まで何もなかったのが事実なのだ。
恋愛感情は全くない。あかねには、そう断言できるほどの自信があった。
理由は、よくわからないが、よく言う男女の友情は成立する、そんな思想があかねの脳内にはあるのかもしれない。
今日は会社の飲み会なので、悠もこの場にいた。
卓は違えど、あかねはあまりこの事を悠に聞かれるのはいい気分ではなかった。
「ねー悠!あんたもなんか反論あったら言ってみなさいよ~、あかねは昔の女だったんか?え?」
「もう、先輩…!酔いすぎですよ!」
「…も~、俺とあかねが付き合ってた?変な冗談辞めてくださいよ、先輩!」
先輩はいつにも増して酔っていた。悠もこんな風に絡まれるのは嫌だろうに、そんなことを思いながら先輩をなだめる。
「え~?じゃあ、あかねが範囲外なら、あたしのこと狙ってくれんの?」
「…ホントに。何言ってるんですか先輩。まじで酔いすぎだからー」
先輩が悠に何と言ったのかは聞き取れなかったが、なんとなく語気が変わったな、と思い悠のほうをちら、と見ると、たまにする悠の無関心な顔がのぞいていた。
悠は端正な顔立ちをしているので、どこへ行ってもそこそこモテる。しかし、恋愛に興味がないのか、いつもこんな顔をして他人に興味がないような表情をするのだ。
あかねはそれを嫌というほど見てきたので、今の光景もさほど珍しい光景とは言えないが、先輩にもそんな顔をするのか、という感想を持った。
*****
飲み会も終盤に差し掛かったころ、ほろ酔い気分になったところで、スマホの着信音が鳴った。
「…?」
見ると、悠からのメッセージが入っている。
「この後付き合え。まじでこの会だるい」
乱暴な一言だけが添えられて、あとは何もなし。
悠のほうを見ても、特にあかねに目配せする様子もなく、楽しそうに飲んでいたので、仕方なく「いいよ」とだけ返事を返した。
今回の幹事がお開きを宣言すると、社員たちはまばらに帰っていく。
「あかね~!2次会付き合いなさいよ!」
案の定先輩は泥酔した様子で絡んできた。
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