親の言いなりで結婚した相手は、中折れ社長と噂のイケメンで… (ページ 2)
初対面は、もう挙式である。
一応ドレスを着て、親族だけのチャペルでの挙式に臨んだ。
チャペルを開けて、そこに待っていたのは…とんでもない長身のイケメンだった!
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父の取引先の御曹司だというその人は、光一さんといった。
秀才で、既にお義父様から経営を任されている、デキるイケメン。
そのまま誰が決めたかわからない新婚旅行に旅立ち、飛行機の中でも私はうっとりと光一さんの端正な横顔を見つめていた。
無理くり休暇を取ったとかで、ハワイは無理だったけれど、沖縄の本部にあるホテルで、私たちは3日間を過ごすことになった。
「明美さん」
着いてすぐのランチの席で、光一さんが神妙な顔を見せた。
そう言えば、この人は中々笑わない。折角ハンサムなのに、ニコリともしない。
「私の仇名、ご存知ですか」
「仇名…いえ、何も聞いてませんけど。光一さんこそ、私のこと、何か聞いてますか」
「ええ、まぁ…大変社交的な方だと」
思わずワインを吹き出してしまった。
社交的とはまた…遊び人、と言えば話は早いのに。
「あなたのような、その、世間慣れした方には、私はちょっと…いえ、だいぶ、物足りないのかもしれないが…3日間だけ、我慢してください。両親を安心させてやりたいので」
「我慢だなんて。楽しく過ごしましょうよ」
私はまだ、彼の秘密を知らなかった。
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その夜、適当にワインで緊張をほぐし、私たちはベッドに入った。
ああ、本当だ、まるで慣れていない。
でもそこが可愛い…なんて思いながら、彼の服を脱がせ、ちょっとリードしてあげて、私は自分の手で彼のものを私の中へと導いた。
「素敵よ…入ったわ」
と思ったら、んん、感触が変わった…まさかの…。
「す、すみません…」
彼は咄嗟に私の中から萎びてしまった逸物を抜き出して、逃げるようにシャワー室に去ってしまった。
へ…マジか。
「…あ、もしもし、あたし、明美」
私は彼がシャワー室にこもっている間に、元遊び仲間で今は2児のママである大親友に電話した。彼女は情報通でもあり、社交界にも顔が効くのだ。
「ははぁ、○○商事のイケメン社長の光一さんねぇ…あんたみたいなアバズレがよく選んだと思ったけど、親の強制だって聞いて納得したわ。彼ね、中折れ社長、て呼ばれてんのよ」
「はぁ、何それ」
「まともに女を抱けないらしいの。だからってゲイでもなくて、単純に、アレが役に立たないらしいのよ」
「EDってこと」
「どうだろうなぁ…元々女性関係は淡白で、留学先でも仙人かってほど真面目だったって。それであの年であの高スペックで独身だったのよ。38でしょ、もう」
「マジか…レスとか我慢できないんだけど」
「あんた遊び人だもんねぇ。無駄に美人でナイスバディなあんたに勃たないんじゃ、諦めなよ」
奥で子供か泣き出す声が聞こえ、私は電話を切った。
なかのべ、じゃなくて、なかおれって…クッソ親父のやつぅぅ!
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