えっちなメイドでごめんなさい!ご主人様に両手を縛られて、VIPルームで弄ばれちゃう私。 (ページ 2)

てっきり初めてのご主人様だと思い込んでいたから、久しぶり、の言葉に少しばかり考え込んでしまう。思案していたのは1秒にも満たない時間だったはずだが、ご主人様のことを覚えていなかったことはすぐに見抜かれてしまった。

「今俺のこと忘れてたでしょ、夕凛ちゃん」

「壱弥様っ、申し訳ありませ―、ひゃっ!」

胸元に指が掛けられ、ブラウスが半分ほど脱がされる。指先がちょうど乳首のあたりに触れて、思わず声が漏れてしまった。

「いいのいいの、怒ってるとかじゃないから。結局ちゃんと思い出してくれたしね。あれからもいろんなお客さんと会ってるだろうし…覚えるのも大変でしょ?」

初めて壱弥様に指名を頂いたのは、私が入店してすぐのころだった。

このお店の特性上新人が入ることは稀で、入店直後は味見とでもばかりに大量の指名が入る。当時は不慣れなことばかりの中で毎日忙しなくテーブルを移動していたから、ご主人様のことを覚えきれていなかったのだと思う。

「久方ぶりのお帰りですね、壱弥様…っ」

乳首を柔く擦られ続けて、会話を続けようと話しかける声に吐息が混じる。

「最近仕事の方が忙しくてさ。一段落付いたから、夕凛ちゃんに会いに来ちゃった」

壱弥様は、にへっ、と少しばかり恥ずかしそうに微笑んだ。これだからモテる男の人はずるい…なんてことを考えていたら、壱弥様が予想だにしていなかったことを言い出した。

「んー、でもそうだなぁ…。せっかくなら夕凛ちゃんに俺のこと覚えて欲しいし、これ頼んじゃおうかな」

そう言って壱弥様が指を差した先はメニュー表の一番下。そこには、リビドーの文字が書いてあった。

リビドーとは、当店で最も高額なオリジナルシャンパンの名称。

リビドーのボトルはルビーのように美しく輝いてこそいるが、それ自体は特別高いお酒という訳ではない。このオーダーの本体は、お目当てのメイドをVIPルームに連れ込む権利だ。

リビドーを頼むと付いてくるチョーカーをお目当てのメイドにプレゼントすれば、そのメイドをVIPルームに連れ込んで、ご主人様の思いのままに楽しむことができる…というシステムになっている。

「あのっ、これは…」

「ん、ちゃんと意味は分かってるよ」

私が動揺してしまった理由は他でもない。何を隠そう、私は今までVIPルームに入ったことがなかったからだ。勿論研修のために足を踏み入れたことはあるけど、それはノーカウントだろう。

ボトルが運ばれてくるのを待つ間、壱弥様はいつの間にかツンと立ってしまっていた私の乳首を弄んでいた。

「ちょっと触っただけなのに、もうこんなにぷっくりしてる」

「やぁっ、ん…壱弥様に触っていただけて、嬉しい、です」

最近覚えた上目遣いで甘えてみると、壱弥様はちょっとばかり驚いたような顔をして、満足げに口角を上げた。

やがてテーブルに届いたチョーカーを、壱弥様は優しい手つきで私の首に巻き付ける。そして甘い色香をたたえた低い声で、私の耳元でこう囁いた。

「今夜は夕凛ちゃんと二人っきりで過ごしたいんだけど…いいかな?」

「…っ、はい」

はやる気持ちが抑えられず、鼓動はどんどん早くなるばかりだった。

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