罰ゲームで地味男に告白、彼は私が好きで私も彼の素顔にときめいちゃって…
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罰ゲームで地味男に告白、彼は私が好きで私も彼の素顔にときめいちゃって… (ページ 1)
誰かがテスト前に言った。
「今回、テストで一番成績悪かった人罰ゲームしない?」
全員がそれに賛同して、罰ゲームは何にするか考えていたとき。
また誰かが言った。
「あの地味男に嘘告とかは?」
今思えば第三者を巻き込む最低な遊びだけど、そのときは皆勉強のしすぎでおかしくなってた。
そんなの絶対おもしろい!と盛り上がって罰ゲームが決まった。
だって皆自分がそれをするなんて思わなかったから。
「あのさ、急に呼び出してごめん。…霧崎くん?に伝えたいことがあってさ…」
放課後、同じゼミの地味男こと霧崎をキャンパス内のカフェに呼び出した。
霧崎は図体がでかいくせに無口で、なにより顔が髪で隠れてて見えなくて一言で言うと不気味。
グループワークでもろくに会話をしたこともないし、目があったこともない。
「…ずっと霧崎くんのこと気になってて、もし良かったら私と付き合ってほしいな。とか…」
嘘を付く罪悪感で霧崎の方を見れなかった。
へへと出てくる愛想笑いで顔が引きつり、早く振ってくれと心の中で唱える。
「本当ですか!僕も実は茜さんのことずっと好きで…嬉しいな…」
「へ!?」
霧崎から出た言葉は予想外でひっくり返りそうになった。
表情が見えないが、雄一見えている口元が笑っているので本当に嬉しそうだ。
「茜さんともっと話したいと思ってたけど、ほら。いつも友達と一緒にいるから話しかけづらくて…」
「そうだったんだ…両思いだったんだね…」
まさか告白が成功するなんて思って無くて声が震えた。
だからといってここで嘘でしたと言えるほど神経は図太くない。
「じゃあ早速今からデートに行きませんか?おすすめのカフェがあるんで!」
「え、デート!?…あ、うん。じゃあ、行こうかな!」
霧島から差し出された手を仕方なく握った。
*****
「天気予報大ハズレだったね」
「うちが近くて良かったよ、こっちお風呂場だから茜さん先に入って。服は僕ので申し訳ないけど…」
「ううん、全然大丈夫。お風呂ありがとうね」
タオルはそこのを自由に使ってと簡単に脱衣所の説明をすると霧崎はドアを閉めた。
「…凄いな。霧崎金持ちじゃん…」
霧崎のおすすめだと言うカフェに行こうとしていた途中、突然雨に振られ急遽霧崎の自宅に来ていた。
一人暮らしだと言っていたけど、どう見たって二人以上で住める広さのある家は綺麗に整頓されていて生活感が無い。
好きに使っていいと言われたタオルにも高級ブランドの名前が刺繍されていて肌触りが良い。
「うわ…すっご」
服を脱いで浴室に入ると、大理石調で揃えられたおしゃれで広い空間に思わず逃げそうになった。
こんな立派なお風呂、旅行先のホテルでも見たこと無い。
「何でこんなことに…」
ちょっとだけ霧島をからかおうと思ってただけなのにこんなにもてなされてしまって罪悪感が凄い。
勿論罰ゲームなんてやっていた自分たちが悪いのだけど。
「これからどうしよ…」
シャワーで身体を流しながらこれからのことを考えていると突然浴室のドアが開いた。
驚いてシャワーを床に落とし、空いた手で身体を隠す。
振り返ると服を全て脱いだ霧島が入ってきていた。
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