大嫌いだった夫の葬儀。夫の兄弟がネットリしたいやらしい目で喪服姿の私を見つめてきて… (ページ 3)
床に散らばる和服はもう、ザーメンまみれで悪臭を放っている。
レンタルなのに、余計にクリーニング代がかかってしまうわ……自分の体のあちこちからも、奴らの放った臭い体液の臭いがして、気持ちが悪くなる。
着替え、どうしよう……。
「あのぅ……」
下劣な兄弟が満足してさった後、恐る恐る扉を開けて顔をのぞかせたのは、事故にあった時にたまたま通りがかって、救急車を呼んでくれた人だった。
確か勝也さんだったかしら……都内の企業に勤める、まだ二十代のサラリーマンだった気が……。
「奥さんっ、どうなさったんですか」
身体中ボロボロの状態で、服も纏わずに座り込む私を見て、彼は駆け込んできてくれた。
*****
「少し落ち着きましたか」
この斎場は貸切型で、1日に1家族しか利用しない。
通夜に寝ずの番もできるように、この部屋は大きなベッドと、ソファベッドとが置かれている。
勝也さんは、家族用の宿泊室についているシャワールームで、私の汚れを流してくれた。
「酷い人達がいたものだ……」
私は裸に彼の上着を羽織ったまま、ベッドの端にぼんやりと座っていた。
その間にも、彼は近所で買ってきてくれたジャージの上下と下着の値札を取ってくれた。
「勝也さん、帰らなくて大丈夫」
「俺、バリバリの独身です」
「モテるでしょうね、優しいし、イケメンだし」
「そんなこと言ってくれるの、奥さんだけですよ」
「奥さん…もう奥さんではないわ。夫の姓で呼ばれるのも嫌。志津子って呼んで」
「志津子…さん。ぴったりだな、シックで魅力的な名前」
「面白い子ね」
「子、って…俺、27ですよ。奥さん、そんなに変わらないでしょ」
「32…32なのよ、もう」
「まだ、です」
「おばちゃんよ。あんな夫と結婚したばっかりに、女としてもう、擦り切れてしまったわ…本当、リアルに擦りきれちゃった。私、元々風俗系だったの。もう、君の年にはヤリまくってたわね、夫や義兄弟にあんな扱いされても、文句言えないくらい、どうしようもなく汚れた女なの」
「そんなこと、言っちゃダメだ」
勝也さんが、優しく私を抱きしめてくれた。
「ごめんなさい、あんな目にあった後で不謹慎だとは思ったんですけど…放っておけなくて、何だか、このまま志津子さんが消えちゃいそうで…」
「勝也、くん」
「俺だったら、こんなに綺麗な人、泣かせたりしません」
*****
あまり慣れていない手つきで、勝也くんは私の乳房を撫で回し、口に含んだ。
いちいち頬を染めて照れるのが可愛らしい。
「勝也くん、来て」
私の誘いに素直に頷き、勝也くんはすっかり大きくなっているそれを、私の中にゆっくりと沈めた。
「痛くない? 」
「大丈夫よ…優しくて、暖かい」
そう、ぎこちないが、私の解れ加減を確かめながら奥へと来てくれる優しさに満ちた挿入。
「志津子さんの中、すごく暖かい」
「こんなおばさんの、使い古しじゃ…ああっ…」
「そんな言い方したら、抜いちゃうよ」
「いや、抜かないで…こうしてて欲しい」
勝也くんは優しく微笑んで、繋がったまま私を抱きしめてくれた。
驚くことに、それだけで、私は逝ってしまった。
あれほど男にまみれた私が、優しい挿入だけで、逝ってしまうなんて……。
「泣いてるの、志津子さん」
「だって…こんな優しいセックス、初めてだもの」
「…これからは、もっと自分を大事にして。僕に、大事にさせて」
「勝也くん」
「とても綺麗だよ、志津子さん」
私は勝也くんの体に足を絡ませて、全身で抱きついた。
「して」
ゆっくり、そして徐々に深く、勝也くんは律動を始めた。
「んん、あん、ああっ、い、いい、いっ」
何てこと、もう小さい絶頂の波なら続けざまに来ている。
「志津子さん、ごめん、持たなそう…」
勝也くんは大きくグラインドを始めた。
「し、志津子さんっ、志津子さんっ…やばいっ、締まる…」
「いいっ、ああ、あん、あんっ、あああっ、ぐぅぅ、いっくぅ、いっくぅぅぅのぉぉぉ! 」
私は魚のように全身を跳ねさせて、生まれて初めて、脳を破壊するほどの絶頂を味わった。
「ああ…んんぁ…まだ、まだ波打ってる…」
勝也くんが、私の中でドン、ドン、と放出し続けている。
わたしはまだ、衝撃をいなしきれず、全身をピクピクと痙攣させていた。
「何てこと…」
私の目から、涙がこぼれた。
一度でいいから、こんな風に優しく愛されたかった…。
「可愛いよ、志津子さん」
「ありがとう、勝也くん…この記憶だけで、私これから、生きていける」
私は両手で顔を覆った。
「記憶だけなんて、僕は嫌だ…もっと沢山、大事にさせて、志津子さん」
*****
夫を見送り、自由を手に入れた私は、事務員として小さな会社に就職した。
5時だ。
今日は新宿で、勝也くんと待ち合わせをしている…。
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