幼馴染の恋愛相談に乗るだけのつもりが、なぜかセックスの練習に付き合うことになって… (ページ 2)
「それで、この間彼女の家に行ったときにそういう雰囲気にはなりかけたんだけど…。俺全く経験ないからビビっちゃってさ、最後まではやれなかったんだよな」
「初めての彼女だもんねえ、そりゃ慎重にもなるか」
「だからその道の先輩の瑠花さんにご教示してもらいたいなー、と思って」
「なるほどねー、そういうことだったら先輩として相談に乗ってあげてもいいですよっ」
すっかりその気になってこんなことを言ってしまったけど、正直私もそこまでセックスに詳しいわけじゃない。
体を重ねた経験は決して少なくないし、性欲もかなり強い方だと自分では思ってる。
…だからこその悩みなんだろうか、私は彼氏とのセックスでイったことがなかった。
今の彼氏が通算で三人目なのも、それが大きな理由。
一人えっちではちゃんとイけるから、不感症というわけではないはず…なんだけど。
「早速なんだけど、女の人って何されたら悦ぶの?」
「んー、好きなプレイとかは人によるからあれだけど…。ゆっくり焦らされるのが好き、って子は多い気がする」
「前戯ってやつか…上手くやれるか心配だな」
「…私で練習してみる?」
かなり突飛なことを口走ってしまった自覚は大いにある。初心な瑞樹をからかうためのちょっとした冗談のつもりだった。
冗談のつもりだった…んだけど。
「マジ?じゃあお言葉に甘えてお願いしようかな」
瑞樹が意外にも乗り気で、もう後には引けなくなってしまった。
「…挿入はなしだからね?」
「さすがにそれは分かってるって」
普段の私たちらしくない少し浮ついた雰囲気の中、私はおもむろに立ち上がる瑞樹の顔をこっそり見た。
幼馴染として長いこと一緒にいるからすっかり麻痺していたけど、瑞樹はかなり整った顔をしている。
瑞樹に愛されている彼女さんが少し羨ましい。…って、私ってば何考えてるんだろう。
瑞樹はベッドに腰を下ろして、膝の上をぽんぽんと叩く。そして、何でもないような平然とした声で私を呼んだ。
「それじゃ瑠花、こっち来て。俺の膝の上座って」
全く経験がないとかどうとか言っていたくせに、私よりよっぽど落ち着いている。
…これじゃ、変に意識してしまってる私がバカみたいだ。
言われるがまま瑞樹の膝の上に腰掛ける。背中全体に伝わってくる体温に、瑞樹との体格の差をまざまざと突きつけられるようで、何だか変な気分になってくる。
膝の上に座っているのに、それでも瑞樹の方が顔の位置が高い。
小学生の頃までは私の方が身長が高かったのに。とっくに追い越されてしまって、今では二十センチぐらいの差があった。
「…触っていい?」
火照り始めた顔を隠すように、私はこくんと首を縦に振り、そのまま少しだけ俯いた。
うん、という返事は、緊張のせいか上手く声にはならなかった。
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