長年の片想いが爆発。こうなったらとことん彼を揺さぶると決めて… (ページ 2)

…こんなに長年好きなのに、流石に悲しくなってきた。

「…でもな、今回案外ショックは小さいかも。これまでこういうのが多すぎたせいか、今回もなるかもってそこまで相手を信用してなかったかも」

傷心だろうからってわざわざ飲み直しってしたのに…案外ショックは小さいだと?
こっちは滅多にない、家に上げてまで心配したのに。

…あたしだって、いい加減もう忘れさせて欲しいのに。ふざけんな。

「あのね、言ってるでしょ見る目がないって」
「んなこと言ったってよ…どうしろってんだ。ってかお前も彼氏いねーだろ?」

不貞腐れはじめた那智に、感情が爆発してしまった。
「どうしてこれから出会う必要があるのよ」
「…は?え、ちょっ…!?」

寛ぐ那智に跨って、服の襟を掴んで引き寄せる。
間近で那智の目を見て、ふざけんなと呟いて強引に唇を奪った。

驚いて目を見開く那智。
ーーー1度超えてしまった境界線。もうあとには引けない。

頭の中はイライラと、触れ合えた嬉しさでごっちゃ混ぜ。
なのに、唇はもっと、と那智を求めて何度も角度を変えて啄んでしまう。

那智が驚いた顔から少し落ち着きを持った時、唇を離した。

「瑠璃、お前…」
「何」
「ぶっ、キスしてきといて喧嘩腰かよ(笑)…泣いてまでそんな喧嘩腰か?」

…誰のせいでこんなに苦しい想いしてると思ってんだ。
「…なぁ、いつから?」
「教えない」

掴んだままの襟も離して、突き返そうとしたのに、腰を抱かれ引き寄せられた。
「なぁ、いつ?」
「…中学。忘れようとしてたよ。何度も」

那智がまた驚いた顔をする。
そして…何故か突然吹き出した。

「俺もだよ。俺も中学の時好きだった」
好きだったじゃなくて、あたしは今でも好きなんだよ。
なんで笑ってんのこいつ。

「大学で再会してさ、社会人なってもこうして会ってるけど、やっぱり瑠璃いいなって、何度も思ってたんだぞ?」

それを聞いて今度驚くのはあたしだった。

「でもさ、脈ナシだと思ってたんだ。お前一緒に飲んでもすぐ帰るし素っ気ないしよー…好きな素振りも見せてこないし喧嘩腰だし」

「彼女できては振られて、慰めに呼ばれるばっかじゃ望みあると思わないわボケ」
「辛辣(笑)」

はー、とため息をついた那智が、腰に回していた手をぐっと引き寄せあたしを抱きしめた。

「ぶっ、心臓早っ」
「ちょ、離れろっ!」

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