長年の片想いが爆発。こうなったらとことん彼を揺さぶると決めて… (ページ 3)

「はー…なぁ、俺もう出会い探さなくていいな?」
「そんなの!あんたの好きにすればいいでしょ!?」

「素直じゃねーやつ」
ずっと吹き出して笑ってる那智が、私の目尻を拭う。
拭った手をそのまま首の裏に回して…

「んんっ」
今度は那智があたしに口づける。
抵抗しようとするあたしの手も捕まえて、後頭部も押さえられる。

「もう他探したりしねーから、泣きやめ」
無言のあたしを見て、また那智が笑う。
腹が立って、那智の胸をポカスカ殴る。

「瑠璃、そのまま掴まってろ」
「…?は、ちょっと!?」

那智が、跨ったままの私を抱いて立ち上がった。
いつもより高い目線になって反射的に那智にしがみついたけど、那智は寝室に歩みだした。

「ねぇ!下ろして!」
「お前、ほんといつも喧嘩腰だなー」
「聞いてんの!?」

あたしの言ってる事なんかガン無視で寝室に入って、マットレスにポンと放り投げられる。

「っ…!」
すぐに、覆い被さってきた那智に口付けられる。
ここまでなるなんて思ってなかったから、驚いて固まる。

けど、固く閉じた唇をこじ開けるでもなく、那智は舌先で擽るように唇を舐めてきた。
されたことが無い、奇妙な感覚。

辛うじて口は閉じていられたけど、次の瞬間だった。
「っ!?ちょ、何!?」
「いい加減観念しろ、ほら口開ける」

那智は、事もあろうかあたしの唇に歯を立ててきた。
普通、女の唇噛む!?

唖然とするあたしの口に親指を入れて、舌を弄ぶ那智は、また口付けてくる。
那智のキス、変…!調子狂う!

抵抗するはずだったのに、調子を狂わされていつの間にか絆されている。
キスをしながら、顔の輪郭や耳に指が這って擽ってくる。

こうしてほかの所を刺激するのを忘れない所も、強引に押し倒されたのに、っていうかあたしからキスしたのに那智が主導権を握ってる。

理性で止められなくなったあのどさくさ紛れのキスで、少しでも那智を揺さぶれればいいと思っただけなのに。

「そんなに、俺のキスいい?お前顔ヤバいけど」
「!?ヤバいって何よ!?悪かっ…」

「違う。エロ可愛い顔してるってこと」
可愛いなんて言ってきたことないくせに。
殺し文句だ…

「ってか、何普通に押し倒してんの?」
「…流れ?」

「…無理。どいて」
私は那智から顔を背ける。
また、涙がこめかみを伝っていく。

「あたしは…こんなに好きなのに…っ、流れとか言うやつに抱かれたくない」

那智がピクっと反応して、動きをとめた。

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