元カレと街でばったり遭遇し、お互い既婚者だと知りながら愛し合ってしまう夜
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元カレと街でばったり遭遇し、お互い既婚者だと知りながら愛し合ってしまう夜 (ページ 1)
今日も夫は仕事で帰りが遅いとメールで連絡が来た。
ここのところ毎日のように残業だといい、日付を超えてから帰宅することも多い。
最初の頃は「頑張ってね」なんて可愛い返事をしていたけれど、毎日となるともう返信をする気もなくなった。
「わかった」とだけ返事をして、やさぐれた気持ちで夜の街へと出かけることにした。
夜の街と言っても、1人で楽しく外食をしてやろうと思っただけなのだけれど…。
*****
「あれ?もしかして亜希?」
何を食べようかなどと考えてぼーっと歩いていると突然声をかけられた。
声のする方を振り返るとスーツ姿の男性が立っている。
「え…、もしかして…、翔也?」
「そう!覚えててくれたんだ!嬉しいなぁ!本当に偶然だね!」
翔也は大学の時3年ほど付き合っていた元カレだ。
お互いに好きな気持ちには変わりなかったのに、遠距離になって会う回数が減ったことなどが原因で別れた。
そこから電話番号を変えて、今日まで連絡を取ることはなかった。
夫のことで寂しいと思っていたところで偶然元カレに出会い、心がときめいてしまうのがわかる。
「今1人?これから帰るの?」
「え?あぁ、うん。今日は1人で外食なんてしようかなって思ってたの」
「そうなんだ!亜希がよかったら、一緒にご飯食べない?俺も一人なんだよね」
私は別にご飯くらいなら男性と2人でも問題ないだろうと思い翔也と居酒屋に入ることにした。
居酒屋では大学時代の話や、今の仕事の話など他愛のないことで盛り上がった。
スーツ姿の翔也はかっこよくて、付き合っていたころの話をしているとドキドキがとまらない。
翔也の左手にきらりと光る指輪がしてあることに気づく。
あぁ、彼ももう結婚して奥さんがいるんだなぁと少し複雑な気持ちになってしまった。
「亜希ももう結婚したんだね。今日旦那さんはいないの?」
指輪を見ていたことがばれたのか、お互いの家庭の話になる。
私はお酒の勢いもあって旦那の帰りが毎日遅いと愚痴った。
「ほんとに仕事なのかなって疑っちゃうよ。毎日毎日そんなに遅くなるかな」
「そっかぁ。亜希も大変だな。実はうちの奥さんも、地元の友達との集まりが大事だって言ってさ、しょっちゅう帰省してるんだよ」
「そうなんだ。お互い留守番役だね」
2人で目を合わせて苦笑いをする。
なんだか気恥ずかしくなってそろそろ帰ろうと店を出た。
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