他の男に調教されていた元妻を忘れられない俺に、SMサイト経由で貸出調教の依頼が…
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他の男に調教されていた元妻を忘れられない俺に、SMサイト経由で貸出調教の依頼が… (ページ 1)
千夏の夢を見た。
今日も遅いんだ、亮平の好きなつくね鍋にしたんだけどな、と、肩までのまっすぐな髪を一本結びにして、ほっぺたを膨らませて拗ねている。
よく考えたら電話なのに、顔が見えているのはおかしい。
それに、いつまでも帰ってこないのは俺ではなく千夏のほうだ。
明け方に、ベッドにもぐりこんできた千夏の足首に見たことのない痣を見つける。
そこで、目が覚めた。
千夏は、2年前に離婚した元妻だ。
朝まで帰ってこないことが何度かあって、千夏のスマホを確認したら、目を疑うような画像とメッセージが嫌というほど出てきた。
麻縄で緊縛され、バイブを挿入されている画像、見慣れたチェックのスカートがめくられていて、下腹部に遠隔ローターが貼りつけられている画像、全裸に首輪だけで鎖に繋がれている画像。
メッセージをチェックすると、千夏は一回りも年上の男に奴隷として服従していた。
時々、帰りが遅くなることと、身体に不自然な痣がある以外に千夏に変わったところはなく、夫婦仲は良好で、セックスだって週に1回ぐらいはしていた。
千夏は激しく乱れるタイプではなかったけれど、行為が進むにつれ、自分ひとりの世界に静かに深くはまり込んでいくようなところがあった。
千夏を問い質しても、涙を流して謝るだけで、俺のほうから一方的に別れを告げた。
スマホの通知音が鳴った。
時刻は午前2時。
時々使っているSMプレイの相手を探すサイトを経由してのメッセージだった。
やれやれ。
今はとてもそういう気分にはなれない。
千夏が何に駆り立てられて、SMに魅入られていったのか、どうしても知りたくなって、サイトに出入りするようになった。
別れてしまった後にこんなことをしても、何の意味もないことも、千夏の影を追い続けているだけだということも、わかっていた。
加虐志向も、支配願望もほとんどなかったけど、基本的なプレイと振る舞いを身につけて、サイトで出会った女たちの相手をする。
手の内を見せる必要はなく、自分の中が空洞であればあるほど、相手の欲望が読めるようになる。
それをどのように満たしてやるかを考え、プレイを組み立てることに、ある種の愉しみを感じるようになった。
千夏によく似た女と、ある偶然がきっかけで知り合い、溺れそうになったけれど、彼女にはつき合っている男がいたので、突き放した。
昔の俺みたいな男を増やしてはいけないと思ったからだ。
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