溺愛系幼馴染アイドルとの秘密の恋愛~やさしくリボンを解いて~
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溺愛系幼馴染アイドルとの秘密の恋愛~やさしくリボンを解いて~ (ページ 1)
幼馴染の圭介はアイドルとして活躍している。
職場の食堂にあるテレビの向こうでにっこり微笑んで、食レポなんかをしている姿を見ては不思議な気持ちになる。
(小さい頃は泣き虫だった圭介が…ねえ)
「圭介くんってかっこいいよね」
「ね。この前CD買っちゃった」
同僚たちの会話を聞きながら定食についていたお味噌汁を啜る。
圭介が幼馴染ということは周囲には内緒にしている。
そしてもうひとつ、私には大きな秘密があった。
*****
その日も遅くまで仕事で疲れて帰ってきて、ドアノブに手をかけると珍しく玄関の鍵があいていた。
「ただいま」
玄関からリビングの方へと声をかけると、恋人の優しい声が返ってくる。
「おかえり、琴乃」
エプロンを付けた圭介がひょこっと顔を出した。
昼にはテレビに映っていた圭介が今は目の前にいる。
「来てたんだね」
「うん、今日はひとつ収録が延期になって」
かるく首を傾げて圭介が微笑んだかと思うと、ゆるく私の事を抱きしめた。
「会いたかった」
こんなふうに圭介は時々私に会いに来る。
おでこにひとつ優しいキスを落として、圭介は私に微笑みかけた。
「もう…アイドルなのに」
「いつも言ってるでしょ?僕は琴乃のことが一番大事なの」
もうひとつの大きな秘密とは、圭介と私が付き合っている、ということだ。
小さいころから好きだった、と愛情を注いでもらえるのは嬉しいことだけれど、いつ週刊誌などに狙われるかと思うと正直ひやひやする。
「いい匂いする。ご飯作ってくれたの?」
「うん、炒飯だけどね」
俺はこれしか作れないけどたまにはね、なんて言いながら圭介はキッチンへと戻っていった。
*****
ふたりで向かい合って夕食を済ませると、そうだ、と圭介が立ち上がった。
「これ、おみやげ」
圭介に手渡されたのは無地のクラフト紙でできた小さな紙袋。
テープを剥がして中を見ると、随分と幅広な深い緑色のリボンが入っている。
「リボン?どうしたの?」
「今日雑誌の撮影で使って、持って帰っていいよって言われたから」
目元を綻ばせながら圭介がくすくすと笑う。
私の恋人はこうやって、たまにちょっと変わったものを持って帰ってくる。
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