年下の後輩くんが告白してきた!ワンナイトで済ませたいのに済ませられない予感が私を襲う──!

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年下の後輩くんが告白してきた!ワンナイトで済ませたいのに済ませられない予感が私を襲う──! (ページ 1)

 告白をしてきた時の上擦った声とはまた違う、色を含んだ吐息混じりの低い声が、濡れそぼった秘部の中に出たり入ったりするたびに漏れて降ってくる。

 男の声と動きには余裕なんてまるでなくて、必死さが伝わってきた。

 ──告白、断らなきゃよかったかも。

 由夏は自分よりも2つ年下の男にこれでもかというほど喘がされながら、愛玩動物に同情を寄せるみたいにそう思った。

 年下の男、敦紀の腰づかいはまるで人生初めて女と共にするかのように、強引で、自分の充血した勃起を肉壁に擦りつける衝動だけで動いているような、そんな稚拙(ちせつ)ともいえる性の発散方法だった。

 しかし、そんな稚拙な動きは、むしろ由夏の母性本能に似た何かを彷彿(ほうふつ)させ、蜜壺が乾くどころかむしろ潤い、愛液を滴らせた。

 くちゅ、ぐぽ、ぷちゅ、と粘りがひき、泡が弾けるような水音は2人の劣情を煽る。

 だが、由夏はこのセックスを「しぶしぶ」という風に引き受けていた。

 甘い声を出しすぎては、敦紀の告白を成功させてしまう。そう思い、必死に手の甲を口にあて、嬌声が漏れぬよう与えられる快感を内に秘めようと努力していた。

 その手を取り払われることはなかったが、見下ろす視線は数時間前のように寂しげな色をかもしていた。

「由夏さん、痛いんですか?」
「ん、ううんっ、違うから、大丈夫だよ、っ」

 痛いのか、そう聞いてくるくせに腰の律動を止めることは無かった。

 まさか、こんなに激しいなんて。

 彼の愛の告白を振ったあとの、「きっぱり忘れるために、一晩だけあなたの時間をもらいたい」という言葉と同じくらい由夏は愕然(がくぜん)としていた。

 オーケストラの授業で見かけるたび、敦紀は準備をするのも、楽譜をめくるのも、ゆっくりとした動作で、学生指揮者から無理難題な指摘をされても温和な態度をとっていた。
 それでも彼と同じバイオリン専攻の友人に聞けば、とても音楽的で繊細な音を奏でるらしい。

 由夏は座席の距離的にも、彼の音は埋もれて聞こえないし、練習場所も違うから、それが本当かどうか知らない。
 しかし一度だけ、私達トロンボーン奏者が目立つフレーズで、彼がこちらを見ていたのは覚えていた。

 由夏はそんな彼のことを、どこか浮世離れしたような、独特の空気を持つ人だと思っていた。

 だから彼が一晩の関係を切り出すなんて、その意外な一面に驚きを隠せなかった。

「由夏さんのナカ、本当に気持ちいいです、由夏さんも気持ちいいですか?」

 我慢していると捉えたのであろう、敦紀は掴んだ由夏の腰を引き寄せ、さらに奥にズヌヌ……と侵入させた。コツンと子宮の入り口に亀頭がぶつかる感覚がした。

 目の前に火花が線香花火のように散り、思わず敦紀の根元をぎゅうっと締め付けた。

「ン、ンン……ッ」
「あ、すみません。オレ、変なこと聞いちゃいましたよね……」

 腰を鷲掴みしていた手が離れ、由夏の両脇のシーツを代わりに握りしめた。ピストンも穏やかになり、由夏は酸素を吸うのもやっとだというのに虚勢を張って、緩んだ口で応えた。

「ん、ううん、ちゃんと気持ちいいよ。敦紀くんって、こんなに丁寧に抱いてくれるんだね。ちょっと意外だった」

 新たな一面を見れて嬉しい。そう告白するように由夏は言った。

 実際は丁寧とは正反対の、まるで獣のようなセックスだった。

 しかし由夏は、こういえば大抵の男は喜びさらに強い快感を与えることを知っていた。

 一夜限りのセックスがしたいからわざと振っただなんて、口が裂けても言えない。過去にそれを告白して失敗した経験を、由夏はきちんと学んでいた。

 熱を貯め込んだ肉棒が、腹の中で一層膨らむのを感じた。
 それと、敦紀の視線が初めて見る熱を灯していた。

 でも、彼とは相性がいいかもしれない。いままでの、誰よりも、一番。

 熱気がさらに増した空間で、由夏の頭はさらにゆだるような感覚がした。

-FIN-

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