強く濃く叶わぬ想いをぶつけるようにキスマークを付けあって…禁断の愛
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強く濃く叶わぬ想いをぶつけるようにキスマークを付けあって…禁断の愛 (ページ 1)
「これ、整理しといて」
「かしこまりました」
私は、橋場営業本部長から、分厚い書類の束を受け取った。
昨日40歳になったばかりだ。
いつもジムで鍛えている身体には、ぱりっとしたスーツが良く映えている。
その顔は、最近大ブレイクしている俳優さんの面影を宿していて、社内にも隠れファンが多い。
どうして隠れているのかというと、橋場部長の奥さんは我が社の親会社の社長令嬢だからだ。
こどもは二人。
三歳になるピンクのフリルが大好きな可愛い女の子と、先週生まれたばかりの男の子。
席に着くと、もらった書類をそっとめくる。
三枚目に付箋がはってある。
【8 D】
彼の几帳面な字でそう記してあった。
他の人が目にしても、何の意味も分からないだろう。
【今夜八時に、○○ホテルで】という意味だ。
良く使う場所は複数あるので二人だけわかる秘密の暗号をつけてある。
こういう子供じみたことが、私たちには楽しかった。
いつものように、部屋番号は追ってメールで知らせてくれるはず。
そうして、二人きりになったらいつものように、熱くて甘いひと時を楽しめるのね。
私は綻んできそうな口元をぎゅっと引き締めて、なんでもないことのように仕事を続けた。
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