「コーチもたまには一緒に泳ごうよ」夜のプールに引きずり込まれて熱くなるのは…
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「コーチもたまには一緒に泳ごうよ」夜のプールに引きずり込まれて熱くなるのは… (ページ 1)
「位置について、よーい!」
ピーーー!!
スタートの合図が聞こえると同時に水しぶきが上がる。
クロールでどんどんスピードにのって泳いでいく彼をジッと見つめた。
どこか少しでも直すところがないか、注意して見るがフォームは問題ない。
あとは集中力の問題なのかもしれない。
ピッ!
壁にタッチした瞬間にタイマーを押す。
見るとやっぱりタイムは縮んでいなかった。
「コーチ。どうだった?」
彼はタオルで拭くこともなく、そのまま私に近付いてきた。
私がここに就職した時、まだ中学生だった亮は今は高校三年生。
随分と大人になった。
周りの同じ年齢の子供達より体つきもよく、背も一気に伸びて私より一回り大きくなった亮にタイマーを見せた。
「うーん。あとちょっとなんだけどね。」
「やっぱり…。なーんか最近体が重いんだよなぁ。オレ太った?」
亮はおちゃらけながら言う。
あんまり落ち込まない所がイイ所なんだけど、いつもどこかふざけていた。
「もう少し真面目にやったら結果もでるかもよ?」
「真面目にねぇ…。じゃあダイエットしなきゃ(笑)」
そう言って笑いながらもう一度プールに入った。
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