年下の彼に捨てられた私を受け止めてくれたのは彼の友達。優しく慰めてくれた彼が急に豹変して…。
キャラクター設定
登場人物をお好きな名前に変更できます。
milkyに掲載の小説は当サイトが契約した作家によるオリジナル作品であり、著作権は当サイトにて保持しています。無断転載、二次利用は固く禁じます。不正な利用が確認された場合、法的措置を取らせていただきます。
年下の彼に捨てられた私を受け止めてくれたのは彼の友達。優しく慰めてくれた彼が急に豹変して…。 (ページ 1)
「どうしたの?理香さん!」
雨の中、傘も差さずに歩いていた私の手を掴んだのは、彼の友人の朋也だった。
「何て顔してんだよ…俺んちすぐそこだから。行こう。」
私はその日失恋をしていた。
結婚するはずだった彼にいきなり別れを告げられ、突然の出来事に何も考えられず、ただ茫然と街の中を歩いていた。
雨が降ってきたのも構わず、ずぶぬれで歩いていた私を朋也が見つけて声をかけてくれたのだ。
「あがって。今タオル持ってくるから。」
歩いて5分ほどのところにあった朋也の家。私は何も考えられない頭で言われるがまま、リビングの床にペタンと座った。
「どうしたの?何かあった?」
タオルを渡しながらいつもの優しい口調で朋也が尋ねてくれた。
「言いたくなければいいけど…こんな寒い日に傘も差さないで雨に濡れてたら風邪ひくよ。」
いつまでも垂れる雫を拭こうとしない私の頭を、朋也はタオルでクシャクシャっと拭いた。
「…今日別れたの。好きな人ができたんだって。その人に子どもができたから、結婚するんだって。」
「…はぁ?何それ!理香さんそれで納得したの?」
「納得も何も…しょうがないじゃない。子どもができたっていうんだから。」
朋也は彼の友人だ。彼がどんな人間で、私達がどんな付き合い方をしてきたのかも見てきている。
そこまで一気に話をしたところで、頭の中が急に整理できてきた。
涙があふれて止まらなくなってきた…どうしよう。私、捨てられたんだ。
「理香さん…いっぱい泣きな。そばにいてあげるから。」
朋也は私の頭をグッと抱き寄せて、肩を貸してくれた。
朋也は私が泣きやむまで、そのままでいてくれた。
年下の彼に捨てられた情けない女…泣きやむと急に自分がバカみたいに思えてきた。
「理香さん、シャワー浴びてきなよ。風邪ひいちゃう。」
「…うん。ありがとう。」
確かに寒気がしてきていたので、私は朋也の好意に甘えることにした。
シャワーを浴びながら、今までのことを考えると、また涙が溢れた。
でもここで泣いていてもしょうがない…貸してくれた朋也のスウェットを着て、リビングへ行くと、朋也はニッコリと笑った。
「理香さん、色っぽいね。」
「何言ってるの…ありがとう。落ち着いたから帰るね。服は洗って返すから。」
そう言って帰ろうとした時、朋也が急に私の手を引き、強く抱きしめてきた。
?!
「理香さん…」
朋也の腕から逃れようとした時、朋也が急に怖い顔で私を見つめた。
「理香さん、大丈夫?変なこと考えてないよね?」
「変なことって?」
「何か…やけになってる感じがする。」
「大丈夫、大丈夫…。」
心の中を見透かされたような気がして、私はあわてて取り繕った。
狂おしいほどの吐息が伝わってくる…朋也?
「こんな時にずるいかもしれないけど…俺じゃダメかな?」
「朋也…どうしたの?」
「俺が忘れさせてやるよ。理香さんのこと、俺のものにしたい。」
身体に絡められた腕はどんどん強さを増して、逃れられない…。
コメント (0)