不感症でセックス恐怖症私。だけど、幼なじみの彼の優しさで克服しました。

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不感症でセックス恐怖症私。だけど、幼なじみの彼の優しさで克服しました。 (ページ 1)

「なぁー。今日こそしーたーいー。」

穏やかな日曜日。

リビングで二人でテレビを見ていると、付き合って丁度半年になる、幼なじみで彼氏の雅人が甘えた声で抱き付いてきた。

「だーめ。」

「なんでー?!俺ら付き合ってもう半年だぜー?いい加減、セックスしたいー!」

「もー!…また今度ね…。」

「今度っていつだー!」

まるで駄々っ子だ。

呆れるが、付き合って半年、私がなあなあに避けているセックスを無理強いしないところは、自分で避けておいてなんだけれど、感心する。

「…なぁ。マジな話、なんで駄目なんだよ?理由、聞かせてくれよ。それとも、俺になんか問題ある?」

もしかして俺、体臭やべぇとか?そう言いながら必死に自分の腕や、シャツを引っ張ってふんふんと匂いを嗅いでいる。

「…雅人のせいじゃ無いけど…。」

「じゃ、なんだよ?なんかあるなら言って欲しい。」

「…。ごめん、話したくない。…あっ…。」

しまった。と思った時には遅かった。

「…んだよ…。俺、美和にそんなに信用されてねーのかよ…。」

傷付いた表情で、雅人は寝室へ行ってしまった。

その背中に声をかけることも出来ず、とっさに伸ばした腕は彼の服を捉えることなく床に落ちた。

「でも…やっぱり理由なんて言えない。」

私が不感症だなんて。

そしてそれが原因で、セックスが怖いなんて…。

雅人と付き合う前に、3人の男性と付き合ったけれど、誰とのセックスも気持ちよく無かった。

そして、皆マグロ状態の私に愛想を尽かせて別れを切り出してきた。

3人目に振られて、バーでやけ酒をしていた時にたまたま同級生の雅人と再会したのだ。

化粧もぐちゃぐちゃに崩れ、泣いてる私に驚いてはいたけど、やけ酒の理由を聞いて親身に慰めてくれた。

そんな優しさに惹かれて、私から告白したのだけれど、いざとなると振られた時の記憶が蘇ってきて、雅人にも捨てられるのでは…と怖くなって拒んでしまうのだ。

「…雅人を傷つけちゃった…。」

今までこんな事は無かった。

断っても、不満そうにしながらも、ちぇっ。というくらいで後は普通に戻ったのに。

こんなことでは、セックスせずとも雅人を失うかもしれない。

とにかく、謝らなくちゃ…。

そう思って、雅人の後を追って寝室へ入る。

「…雅人?」

背中をこちらに向けてベッドに寝転がっていた。

「…何?」

口調こそ怒っているものの、その背中は口調とは違って、悲しみが溢れていた。

(…正直に話そう。雅人なら分かってくれる。)

「雅人…ごめんね…。実は私…」

そして私は、過去を話した。

「…だから…私…セックスが怖かったの。でもっ…言わずに雅人をっ…傷付け、て…ごめん…ねっ。」

涙が溢れた。

ごしごしと袖で拭っていると、ふわりと抱き締められた。

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