遊女として働く私のもとに幼馴染が現れて…長年の想いが叶って幸せになる二人

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遊女として働く私のもとに幼馴染が現れて…長年の想いが叶って幸せになる二人 (ページ 1)

「あんたのことを買いたい人がいるよ」
「…あちきを、でありんすか?」
「あぁ、身請けの話だよ」

正直びっくりした。まさか私が買われる日が来るなんて思ってもみなかったから。

「そういうわけだから、支度しな」
「あい、わかりんした」

私は支度をして指定された場所へと向かった。そこには小さめの馬車が止まっていて、その横に立っている人も良い着物を着ている。きっとこの人が私を買ったんだろう。私には好きな人がいた。幼馴染でいつも一緒に遊んでた和彦。でも、もう何年もも会ってない。もう一度くらい彼に会いたかったな。そう思うと悲しくなって涙をこらえながら下を向いた。

「お待たせしんした」
「こちらこそ、こんなに待たせちゃってごめんね」

懐かしい声が聞こえてハッと顔をあげる。

「…え?」

前にいたのは、あの時と同じ優しい笑顔を浮かべた和彦だった。

「久しぶりだね」
「…なんで」
「七海を迎えにたんだよ」
「本当に?」
「本当だよ。信じてくれるまで何回でも言う。俺は君を身請けするためにずっと頑張ってきたんだ」

そう言いながら和彦は私の手を握り締めてくれた。温かくて大きな手にまた泣きそうになるのを必死でこらえる。

「俺と一緒に来て欲しい」

まっすぐ見つめられてそんなことを言われたら断れるはずがなかった。

「はい、喜んで」
「良かった。じゃあ行こう」

そういうと和彦は私を優しくエスコートして馬車に乗せてくれた。馬車に乗ってからも和彦はずっと手を握ってくれていてドキドキが収まらない。どれくらい経っただろうか。

「着いたよ」

そう言われて外を見ると、そこはどこかのお屋敷の前だった。

「ここが…和彦の家?」
「うん、そうだよ」
「すごい立派だね」
「本当?ありがとう」

二人で話しながら屋敷の中へと向かう。

「どうぞ」

促されるまま中に入ると、きれいなお庭が広がっていた。思わず見とれてしまう。

「気に入ってもらえて嬉しいよ。さぁ、中に入って」

案内された部屋に着くなり抱きしめられた。

「やっと七海を迎え入れられた」

ぎゅうっと強く抱きしめられる。

「私もまた会いたかった」

そう伝えると、そっと頬に手が添えられた。

「キスしてもいい?」

そう聞かれて心臓が大きく跳ね上がる。

「…うん」

返事をすると同時に唇を奪われて、角度を変えながら何度もキスを繰り返される。

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へせひぬし

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