職場の飲み会の後、先輩に強引に誘われているところを彼氏に見られて…!?

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職場の飲み会の後、先輩に強引に誘われているところを彼氏に見られて…!? (ページ 1)

予兆はあった。
職場の先輩が私に向ける視線が、時々熱を帯びることを知っていた。

今日は職場の新人歓迎会があった。
一次会が終わり、二次会へ移る流れになりつつある。なんとか二次会への参加を回避して家に帰りたい私は気配を消して輪から外れていた。

ちょんちょん

肩に触れる指に驚いて斜め上を見上げると、先輩が微笑んで私を見つめている。

「二次会、行かないの?」

私が頷くのを確認すると「ふうん」と意味深な笑みを浮かべた。

「俺、真理子ちゃんのこと、ずっと可愛いと思ってたんだよね。この後さ、2人で抜けない?」

手を引かれそうになって慌てて身をかわす。

「ごめんなさい、先輩。私今日見たい番組があって」
「そんなのいつでも見られるじゃん」
「ライブなの。しかもアーカイブ残らないんです」

帰ろうとする私の気持ちを無視して、先輩は私の腕を掴んだ。そして強引に胸元に引き寄せる。小さな悲鳴を漏らす私に気づいているはずなのに、抱き寄せる腕の力を抜こうとしなかった。

どうしよう。
誰も助けてくれそうにない。私は困惑して身を固くした。

「真理子?」

縋る気持ちで声の方をみると、彼氏の昌磨が驚いた顔をして私を見ていた。

「悪い。真理子は俺の彼女なんだ。誘うなら他の子誘ってくれない?」

先輩から私を引き剥がすと、昌磨は愛おしそうに私を抱きしめた。

「真理子ちゃん彼氏いたんだ。だったら初めから言えよな」

面白くない、と機嫌を悪くした先輩が立ち去る。明日から職場で私への対応が悪くなるだろうが、いい加減あの猫なで声にはうんざりしていたから、いい機会かもしれない。

「昌磨ありがとう…すごく困ってたから」
「うん。…でも仕事、やりづらくならない?俺余計なことしたかなって思って」
「いいの。来てくれて嬉しかった方が強いから」

そっか、と照れた笑みをこぼす昌磨はとても愛おしいと思った。

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