アプリで出会った彼に星を見に行こうと誘われた私。山奥でいい雰囲気になって…♡
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アプリで出会った彼に星を見に行こうと誘われた私。山奥でいい雰囲気になって…♡ (ページ 1)
「じゃあ今度、星見に行こうよ」
マッチングアプリで出会った直人は、星空観賞が趣味だった。
趣味の登録をしていなかったにもかかわらず、まさかの麻美と趣味が同じだった2人は、すんなりと打ち解けることができていた。
2人がやり取りを始めたのは、2週間前。
最初は探りを入れて、当たり障りのないことを聞いていたが、1週間前、初めて電話をして共通の趣味に気づいたのだった。
「いいね!いつがいい?」
「んー、来週の火曜日は?流星群が観れる日かも」
「火曜日なら大丈夫!流星群初めて見るんだ~!直人くんは、何回か見たことあるの?」
「そうだね、割と見てるかも」
2人は、趣味の話に花を咲かせる。
麻美は、つい1か月前にマッチングアプリを始め、最初に会った男性が完全に性行為目的の人だった。
それなのに、全然テクニックがうまくない。そういう相手を探していないわけではない麻美は、少しがっかりしてしまった。
マッチングアプリって、こんなもんなのかな、そう思い始めた矢先、直人に出会った。
直人は、すごく感じのいい青年で、電話した時の声も、とても優しい低音のいい声だった。
こんなにいい男性と会う約束までこぎつけるなんて、かなり当たりなんじゃないか?
麻美は、淡い期待を寄せながら、来週の火曜日を待った。
*****
そして、直人とのデート当日。
最寄り駅に来てほしいと言われた麻美は、言われた時間にそこへ着いて直人を待っていた。
2分ほどたつと、白いワンボックスが麻美の目の前に停まる。
「お待たせ。麻美ちゃんだよね?」
「こんばんは。お邪魔します」
麻美は、一瞬驚いた。
想像の何倍もイケメンが来たのだ。
麻美は、胸の高鳴りが抑えきれないまま、直人の車に乗り込んでしまう。
車内は、きつすぎない芳香剤の香りがして、すごく居心地がよかった。
麻美の心臓の音を少しだけ緩和してくれる、夜のドライブにはもってこいの洋楽が流れる。
楽しいドライブになりそうだな、と麻美はなんとなく思った。
*****
案の定、山奥へ行く道中はとても楽しく会話ができた。
「…そう言えば、なんで山なの?」
「山の上までいったら、その分地面が高くなるでしょ。そっちの方が空気も澄んでて、星がきれいに見やすいんだ」
「へぇ…、そんなこと、考えたこともなかった」
「…あ、ここら辺、近くに心霊スポットあるけど、そっちの方にする?」
「もー、変なこと言わないでくんない?普通に上って」
「ははっ。はいはい」
星のことについて、にわか知識な麻美には、直人の話は新鮮な物ばかりだった。
ふざけ混じりに色々な話をしていると、直人は「ここらへんかな」と言って車を停める。
「ちょっと待ってて。後ろ倒すから」
「あっ、うん」
手際よく後部座席のシートを倒すと、トランクの扉を開け、「おいで」と促される。
なんだか流れがスマートすぎて、麻美は夢でも見ているような感覚に陥ってしまった。
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