彼の裏アカが発覚!浮気された腹いせに裏アカ男子を狩ってみたら、逆襲されちゃって… (ページ 3)
「静かにしててくれたら、手荒な真似はしないから安心して」
聞き覚えのある柔らかな声。
篤志くんだった。
篤志くんに、脇を抱えられたまま、ベッドにうつ伏せに押し倒される。
「篤志くん、やめて…」
大きな身体に組み敷かれ、仰向けにされたと思ったら、ベッドの四隅にある手枷と足枷であっという間に拘束されてしまう。
返ってきた特大ブーメラン。
でも、不思議と怖くはなかった。
「今日はあの指輪してないんだ」
篤志くんはそう言うと、私の右手を取って、薬指の付け根を撫でる。
「篤志くん、あんなことして本当にごめんなさい」
「まず、名前を教えて。きみの名前はふたつ知ってるけど、両方偽名だよね」
「朔良」
「朔良ちゃん、まさかああなるとは思ってなくて、けっこう楽しませてもらったから大丈夫。姉貴には散々笑いものにされたけど」
え?お姉さん?
「あの裏アカは友達がくれたものなんだ。結婚するからって。で、面白半分に受け継いだらドタイプな子が本当に会いに来ちゃって、心中複雑だったな。エッチで中イキできるってだけで、初対面の男と簡単にしちゃうのかって」
「そうだったんだ」
「で、目が覚めたらあんなことになってて…怒るより笑った。でもさ、朔良ちゃんがなんでこんなことをしてるのか知りたくて、もう一度会いたくても連絡取れないし。で、見覚えのある指輪をした手をSNSで見つけて、朔良ちゃんが飛びつきそうな罠をかけたんだ。だから、なんであんなことしたのか、教えて」
「だって、彼氏が裏アカつくって浮気しまくってて…」
彼のことを話し始めたら涙が出てきて、止まらなくなって、顔がぐしゃぐしゃになる。
「ごめんね、話したくないこと、無理に聞いちゃって」
「ううん。泣いたらちょっとすっきりした」
篤志くんが、私の涙を拭き、鼻にティッシュを当てる。
「ほら、鼻かんで」
子どもみたいに鼻をかんでもらって、篤志くんにじっと見つめられて、目を逸らさずに見つめ返す。
「ひどい顔してるから、そんなに見ないで」
篤志くんの顔が近づいてきて、唇が触れ合い、チュッと軽く吸われて、すぐに離れる。
そして、手足の拘束具が外される。
「今日、朔良ちゃんに会えて嬉しかった。よかったら、連絡先教えて」
え、帰されちゃうの私?
「もう一回キスしてくれたら教えてあげる」
思ってもいなかった言葉が口から出てくる。
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