隠してた寂しさを会社の後輩クンに見抜かれて幸せな初体験。初めてなのに…イッちゃいました。

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隠してた寂しさを会社の後輩クンに見抜かれて幸せな初体験。初めてなのに…イッちゃいました。 (ページ 1)

「お疲れ様でーす!」

三日間に渡る展示会がようやく終わった。私はアパレル商社で企画の仕事をしている27歳。

入社して5年目となる今年、新しいブランドの立ち上げメンバーに選ばれて忙しいけど充実した日々を過ごしていた。

なかなか通らない企画書…挫折を味わい、会社に泊まり込みでサンプルを仕上げたりもした。

有名人を招いてパーティーを開いたりと華やかに見える業界だけれど、普段は泥臭い仕事が大半を占めている。

在庫の整理や会場の設営など力仕事も多いし、現場では体力勝負な面もある。だからこそ、女性だからなんて言われないように搬入だってこなす。

結婚と同時に仕事を辞めた母はことあるごとに女であることを悔いていた。

結婚したら家庭に入る―それが普通だった頃、父の実家は厳しく、母が仕事を続けることを猛反対したそうだ。

それなのに父は職場で新婚の頃からずっと社内の部下と不倫をしていた。母はずっと父のサポートをし、家事も育児も完璧にこなしていたのに。

「男なんかに頼っちゃだめよ。自力で歩ける女でいないと」と母はよく言っていた。

私が進学を機に地元を離れる頃に両親は離婚して、生まれ育った家ももう無くなってしまった。

家族ですら平気で人を傷つける生き物なのだ、と幼い頃から他人を信じることが出来ずに今日まで来てしまった。

いつもニコニコして、流行りの芸人を真似したりおどけていれば友達もすぐにできて平和な日々を過ごしてこられた。

周りに合わせて彼氏を作ってみたこともあったけど、最終的には友達に戻ろうとフラれるのがオチだった。

男性に負けないようにと仕事で結果を出すことに執着しているのは母の言葉の影響かもしれない。

真っすぐ帰る気になれず、報告書を書こうとオフィスへ向かった。

22時をすでに回っていたのでもう誰もいない、真っ暗なオフィスに着くと解放感とともに、疲労感がどっと押し寄せて来た。

仕事も順調、友達もたくさんいるし、お金の心配もしなくていい位に生活も安定している。

なのに時折どうしようもなく寂しくなる。今もなぜかふと虚しさを感じ、気付くと泣いていた。

(今までなにがあっても耐えて来たのに。どうしちゃったの私…。)

―パチッ

「あれ?美玖さん?…って泣いてる!?」

突然照明が点き、振り返ると二年後輩の優吾が心配そうな顔でこちらを見ていた。

ムードメーカーで上司や取引先ともすぐ打ち解け、同期からの信頼も厚い。屈託なく笑う彼は秘かに女子社員の中で人気を集めていた。

はっと我に返り、涙を急いで拭う。

「や、やだな~泣いてなんかいないよ!ちょっとコンタクトが取れなくなっちゃって…。そうそう、展示会大成功だったんだから!」

「さすが美玖さん。いつも遅くまで残って頑張ってたの俺知ってましたから。カッコいいっすよね。俺、美玖さんみたいになりたいな」

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