「も、もう!!声聞こえたかもしれないのに!」
息が整って落ち着いた私は、またもや徹をキッと睨み付けた。
いくらなんでもお風呂場でなんて!もう絶対してあげないんだからっ!
そう言ってやるつもりだった…けれど。
「フフ。でも、俺は幸せだったよ?」
「っ!?」
チュッと優しいキスが頬に落ち、一瞬にしてその考えは吹っ飛んだ。
――“触れたい”
その気持ちを仕方の無い事にしていたのは、私だけだったのかもしれない。
「ん?」
徹の腕を掴み、顔を上げる。
「…わ、私も嬉しかった。」
「っ!?」
お返しのキスを唇に落とし、逃げるようにお風呂場を後にした。
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