横暴な客に捕まり乱暴な扱いを受けていたら…リセットされる嫌な記憶
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横暴な客に捕まり乱暴な扱いを受けていたら…リセットされる嫌な記憶 (ページ 1)
歓送迎会の季節。
居酒屋は毎日、満員御礼。
忙しいのは当たり前。
わたしは皿及びグラス運びマシーンと化して、店内を動き回るだけだ。
「千星ちゃん、6番テーブルのリセットお願い。できるだけ早く」
「了解です」
「急かしてごめんね」
「全然、大丈夫です」
癒しと言えば、ホール担当の利人さんの笑顔ぐらい。
切れ長の目が笑うと線になって、すごく優しい顔になる。
この笑顔さえ見られれば、ふくらはぎのハリも安い時給も気にならない。
「6番テーブル、リセット、オッケーです」
「ありがとうございます。6番テーブル、3名様ご案内します」
廊下ですれ違う時、利人さんと目が合った。
よし、これでラストまで頑張れる。
わたしは気合いを入れ直して、疲れた足で店の床を踏みしめた。
「すいません、ちょっと」
ラストオーダーの時間に合わせてラウンドした後、廊下で男性のお客さんに声をかけられた。
スーツ姿の大人しそうな人で、そんなに酔ってないようだった。
「どうされました?」
「僕らの席、男しかいなくて、でも、先輩が男の酌じゃ飲めないって言うんです。だから、代わりにお酌してもらえませんか?」
頭の中で、お酌を迫られた時の対応マニュアルを引っ張り出す。
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