記念日にはじめてを経験して全てが満たされる幸せな夜 (ページ 2)
「ありがとう。中、はいって」
玄関に上がった途端、彼が照れくさそうに笑う。
「?」
ゆっくりと両手に肩を置かれ、顔を近づけられる。
もしかして、これって。
でも、こんなところで?
「ずっと、こうしたかった。好きだよ、舞ちゃん」
「ん……っ」
そっと、優しいキスの雨が降ってくる。
翔君らしい、健気な口付け。
だんだんと、彼の指先が肩から背中、腰へと降りてくる。
「あ、っ、あの、翔君、お風呂、はいろ……?」
「そういうことがしたいの?」
無垢な顔でそんなことを言われたら、私だけがいやらしいことを考えてるみたい。
「し、したい、けど……」
俯きがちに小さく呟くと、彼は悪戯っぽく笑ってから、
「お風呂、二人で入ろっか」
そう私に囁いた。
じゅん、と、お腹の奥が熱くなるのを感じた。
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