男性用マッサージ店、それが私の職場。店長、それが…私の想い人。

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男性用マッサージ店、それが私の職場。店長、それが…私の想い人。 (ページ 1)

男性用マッサージ店に勤めてもう3年。

段々と固定客もついてきたし指名も増えた。

でも職業柄誤解されやすく彼氏はいない…。

人の体を癒す仕事をしているのに自分は全く癒されない、そんな毎日だった。

「おはようございます」

そう言って出勤すると店長の三上が

「どうした、千夏。元気ないな?」

とすかさず返してくる。

三上は32歳、若くしてこの店舗を含め4店舗を任されている敏腕店長だ。

「いやいや、そんなことないですよぉ~。」

と飛び切りの営業スマイルを見せつつかわし、仕事着に着替えるため更衣室へ入る。

「まさか…そんなこといえないよ…。」

そう、千夏は店長の三上にずっと片思いしているのだ。

「そろそろ色々引き際かな…」

そう小さくつぶやいたときノックの音が聞こえた。

「はい」

「三上だ、千夏か?」

「えっ、はい、そうです!」

「ちょっと入ってもいいか?」

「ち、ちょっと待ってくださいね!」

慌てて仕事着に着替える千夏。

「いいですよ!」

「おう、入るぞ」

「どうしたんですか??何かあったんですか??」

「どうしたって…。お前が元気ないからだろ?」

「だからそんなことないって言ったじゃないですかー、元気ですよー!」

「嘘つくな」

壁側に追い込まれ身動きできない千夏。

心臓の音が三上に聞こえてしまうのではないかと思うほど近い。

でもこのまま時間が止まってくれればいいのにな…なんてどこかで思っている自分がなんだか馬鹿っぽくて、ふいに涙がでた。

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