久しぶりに会えた年下の彼。彼に手を引かれながら部屋に入ると… (ページ 2)

和貴は迷いなく藍那の部屋へと入り、藍那をベッドに座らせた。

あまりにも急速に進む展開に、期待していたとは言え藍那は戸惑う。

「藍那」

「ん…っ」

優しく唇に口付けられ、藍那は目を閉じた。

初めは穏やかだった口付けは、徐々に激しさを増し、藍那を翻弄する。

藍那は、キスをする時にどうしてもしてしまう癖があった。

一つは目を閉じること。

もう一つは、息を止めてしまうこと。

いつもそのせいで、和貴には酸欠状態になるまでイジメられるのだ。

そして、今回も例外ではない。

長い口付けは、時々角度を変えるために離れるだけで、藍那に十分な酸素を与えてはくれなかった。

和貴の胸元を叩いて意思を伝えても、和貴は簡単に離してくれない。

やっと唇が解放された時、藍那は既にぐったりと疲れてしまった。

「…意地悪」

酸欠により潤んだ瞳で睨んでも意味がないことは知っているが、一応抗議を入れる。

すると和貴はにっこりと微笑んで、藍那の瞳を見据えて言った。

「嫌いじゃないでしょ?」

「……ばか」

顔を背けて唇を尖らせる。

藍那の小さな呟きは、肯定と同然だった。

「ごめん。でも、藍那見てるといじめたくなるんだよ」

「…ふーん」

怒った?と下から顔を覗かれ、藍那の心臓はまた跳ね上がる。

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