彼と見知らぬ女性が仲良さそうにしてるから…操作される嫉妬心 (ページ 3)
「…本当に日和は可愛いなぁ」
唇を離して一言目に出てきた言葉。
息を切らしながら一体どこがと言いたいのに言えなくて、彼をじと…と睨み付けた。
「僕の行動ひとつで一喜一憂するところ」
わたしの言わんとするところを理解した彼はそう答える。
全くもってその通りだった。
「さっきの居酒屋でのぶすっとした日和可愛かったなぁ…」
「…もしかしてわざと?」
「ん?」
わたしの問い掛けに対してにっこりと微笑む響。
こんな表情を浮かべている時の彼は、大抵事の顛末をうやむやにしてしまう。
「僕やきもち焼かれるの好きみたい」
口では勝てないという事は嫌という程身に染みていたので、言い返しはしない。
けれどほんの些細な抵抗として、絡みついてくる舌に軽く噛み付いてやった。
「…、わ…っ!」
唇が離れたかと思いきや、ふいに身体が宙に浮き驚く。
響はいとも簡単にわたしの身体を抱き上げて歩き始めた。
「床だと背中痛いでしょう?」
ベッド行こうと耳元で囁かれて頬が熱くなる。
今更ながら、なんて大胆な事をしてしまったんだろうと急に恥ずかしくなった。
「それともベッドまで我慢出来なかった?」
そう、そんな風に思われてしまっても仕方がないのだから。
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