「この泣き顔、たまんないっ…」甘々なドS彼氏に貪られる雨の夜

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「この泣き顔、たまんないっ…」甘々なドS彼氏に貪られる雨の夜 (ページ 1)

しとしとと雨が降り注ぐ夜。

ベランダに並んで腰掛け、薄暗い中わたし達はお酒を嗜んでいた。

「ね、響はわたしのどこが好き?」

降り続ける雨音を聞きながら、手にした水面に映る自分の顔を見つめ問いかけた。

別に付き合い始めたばかりという訳ではないし、浮気を疑っている訳でもなく。

今更こんな事聞いた所で…とも思いつつ、お酒の力も手伝ってか、ただなんとなく聞いてみた。

「…逆に聞くけど僕のどこが好き?」

質問に質問で返されて、返事に少し詰まる。

するとそれを見て彼は伏せ目がちに溜息を吐いた。

「すぐに出てこないんだ…」

「!…ち、ちが…」

ぶんぶんと音がするぐらいに頭を横に振る。

そんなのもちろん全部に決まっている。

答える前からそんな事分かりきっているのに、すぐに答えられなかったのはなんだか少し気恥ずかしかったから。

彼はそっとグラスを下ろし、投げ出していた脚をおり身体を丸めるように膝を抱える。

殻に閉じこもるかのようなその仕草に、わたしはおろおろと狼狽えた。

「あ、あのっ…そうじゃなくてね…」

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