厳しいことで有名な先輩講師に押される甘くてイジワルな研修印 (ページ 2)

そのまま、撫でられる。

見上げると、松永先生の優しい目があった。

「大変、よく、できました」

ぱちぱちぱち。

拍手。

「やー、ごめんな。ほんとはもうすでに合格だったんだ」

「・・・オレが麻美先生を気に入ってるから、離したくなかったの」

えっ?

先生は私を引き寄せ、軽く抱きしめた。

「イヤか?・・・イヤだよな、オジサンだしな」

胸がきゅうっと音をたてた。

何も言えずにいると、先生は手をゆるめた。

「ごめんごめん、これじゃパワハラのセクハラだな。お疲れさん、帰っていいよ、片付け、しとくから。・・・ほんと、ごめんな。」

先生は私を離し、後片付けを始めた。

「・・・松永先生だったら、パワハラでもセクハラでもない、ですっ・・・」

黙々と机を並べなおす先生の背中に、ようやく、それだけ、言えた。

「・・・!?」

振り向いた先生に、もう一度言う。

「えーと、だから、その・・・あーもうとにかくっ、えっと、イヤ、じゃ、ないですって、こと、ですっ!」

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