心折れた夜、やっと気持ちが通じたと思ったらいきなりオモチャ責めのお仕置き (ページ 2)
「えっと…、雅人、さん…?」
「…」
こんな黒い雅人見た事ないんだけど。
しかも喋ってくれない。
「…おーい…」
「ああ?」
いやいや、敬語抜けたことなんてない雅人が野蛮な返しを…
空耳?じゃないよね…
「お、怒ってる…?」
「怒ってますよそりゃあ。人の事散々心配させておいて、電源も切りやがるから探す手間もかかったし」
「えっと…そういえば居場所はどうやって…?」
「お嬢様の交友関係は把握済みなので。そこからSNSやら●●…(自主規制)」
…公には書けないようなやり方で居場所を突き止められたようです。
「遊んでくるだけって言ったのに」
「ああ?お前、昔誘拐された事あんだろ?心配するの当たり前だろーが!」
…そう。私は幼い頃に一度誘拐された事がある。
怪我もなく終わったけど。
それ以来外出は絶対に護衛の誰かと共にでないとダメになった。
犯人は取引していた企業の経営関係者だったことから、それ以来仲良くなった友達の家庭事情まで、全て調べあげられているのも事実。
「悪かったわね。でも私にだってヤケになりたい日があるの!」
いい加減もう疲れたんだからほっといてくれ!と心の中で叫ぶ。が…
「あ?」
見られないほど目つきの悪い雅人に慌てて口篭る。
「ところで…雅人元々そういう喋り方…?」
真っ黒な雰囲気の雅人から舌打ちが聞こえて、やっと振り返った…と思ったら次の瞬間、私はベッドに縫いつけられていた。
「仕事なんだから混同しねーように口調も変えてるんだよ。…でももー今日は関係ない」
「…?っ、んんっ!?」
押し倒されて、キスまでされてる。
この状況は一体…?
ぶつけるように当てられた唇。
その怒りを表すかのように、とっとと口開けろと言わんばかりに舌が口をこじ開けようと圧迫してくる。
緊張と驚きで固まっていた体はすぐに力負けした。
口内を蹂躙され、訳も分からず私はされるがまま。
体を密着させてみた時も、肌の露出のある服を着てみても、警戒の目を避けて遊びに出ようとしてすぐに捕まってしまうだけだった時でさえも、雅人は丁寧口調や姿勢を崩さなかった。
…だから望みはないと思っていた。
でも今、初めて素の雅人と話せている。
「雅人…もしかして…私の事…すき?」
長い沈黙が流れる。
「…はー…諦めようとしたんだけどな」
その答えが肯定を表すものだということは、数秒経ってやっと飲み込めた。
「えっ、ええええっ!?」
「…うるせー…」
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