偶然再会した先輩にお願いしてみた痴漢ごっこ。妄想が現実に変わる快感に溺れる私
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偶然再会した先輩にお願いしてみた痴漢ごっこ。妄想が現実に変わる快感に溺れる私 (ページ 1)
三十二歳、独身の朱里は、彼氏いない歴二年を迎えようとしている。周りの友人も結婚し始め、そろそろ彼氏ぐらい作れば?と言われるが、性欲よりも睡眠欲が勝つほど、仕事中心の毎日だ。
それなりにやりがいもあるし、どうしてもムラムラするときは、お気に入りのバイブを使ってすっきり解消できるので、朱里自身は焦っているわけでもなかった。
そんな朱里は去年から人事部に異動となり、毎月のように全国の支社へ出張が入る。
梅雨本番の六月の朝、朱里は大きなバッグを抱え品川駅から新幹線に乗り込んだ。新大阪へ二泊三日の出張だ。いつものように二人掛けの窓側の席に座る。
平日の午前十一時という時間だからか、車内は空席が目立ち、朱里の隣も空いていた。
車内では書類に目を通したり、メールをチェックしたり、一人で集中できる貴重な時間。新横浜までの十分ほどの間に、ジャケットを脱ぎ、必要な書類をテーブルに置き、一息つく。
「隣に誰も座らないまま大阪に行きたいな」
そんな朱里の願いもむなしく、新横浜で続々と人が乗り込んできた。
朱里の隣に、ビジネスマンが座った。濃紺のスーツが似合う、中肉中背の短髪で色白な爽やかな男性。同年代に見える。
ところが朱里は思わずドキッとした。高校のバスケ部だった二つ上の拓馬先輩によく似ている。挨拶を交わしたことは数回あるが、朱里が先輩を一方的に見ていただけなので、向こうは知るはずもない。
もし先輩だとしても声をかけるタイミングは完全に失ったので、朱里は妙な胸騒ぎを落ち着かせる必要があった。
*****
高校生のときの朱里は、百六十センチで五十四キロ。その体型は今もほとんど変わりがない。顔も平凡、スタイルも平凡、目立って印象に残るタイプではなかった。
拓馬先輩は女子バスケ部のキャプテンと付き合っていて、練習後に二人が一緒に帰る姿を見ていた。
美男美女のカップルとして有名だったし、キャプテンはのろけてばかりいたし、理想のカップルとして注目を浴びていた二人だった。
その二人がキスをしているところを、朱里は偶然見かけたことがある。
忘れ物をして体育館に戻る途中、薄暗い階段に座る二人が視界に入り挨拶をしようと思ったら、拓馬先輩がキャプテンの顔を両手で挟み、チュッと口づけた。
そのシーンはドラマのようで、朱里でさえもうっとりしたのだが、そのあと聞こえた生々しい音と息遣いは、しばらく朱里の脳裏から離れることがなかった。
ちゅぱちゅぱと貪り合う唇、はぁはぁという動物的な吐息は、当時の朱里には刺激的過ぎて、それ以降キャプテンを見る目が大きく変わった。
ところが、なぜか拓馬先輩に対しては少し違う感情が芽生えていた。
自分もあんなふうにしてほしい…、そんなふしだらな妄想が膨れ上がり、その夜、初めてのオナニーのおかずになった。
先輩が引退するまで、朱里はずっと目で追いかけては妄想にふけっていたので、ルックスも声も完全に朱里の記憶の中に刻み込まれていたのだ。
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